【発がん性指摘「PFAS」による水質汚染】大阪では「井戸水や地下水からものすごい数値」、近隣にフッ素樹脂を扱っている工場がある地点での検出例多数
水道水の送水場で基準値超え
水道水の供給元からPFASが検出された自治体が、三重県桑名市だ。同市内の多度町柚井地区などに水道水を供給する「多度中部送水場」で、2020年に290ng/L、2021年に170ng/L、2022年に230ng/LのPFASが検出された(3年間とも検出は8月)。2022年10月に送水場は停止されたが、柚井地区に住む元自治会役員の男性(69)はこう語る。 「今はもう水道水は安全と言うけれど、問題の3年間も水道水を飲んでいたので、今後の自分たちの身体や子供や孫への影響が心配です。昔からこの地域では、『多度山の伏流水やから冷たくて美味しいね』と言って水道水を飲んできたのに、なぜ悪い測定結果が出た時に教えてくれなかったのか。きちんと地元に説明してほしい」 今年5月、国は水道水のPFAS濃度の調査を9月末までに行なうように各都道府県や水道事業者などに要請した。その調査結果は現在、環境省が集計中だ。PFASは永遠の化学物質がもたらす“新たな公害”と言える。さらなる調査と健康被害への対策が求められている。 取材/上田千春、佐藤篤司、末並俊司、田村菜津季、橋本安彦 文/池田道大 撮影/太田真三 ※週刊ポスト2024年11月1日号