「家で過ごして」「でも遠慮せず学校に」一斉休校、河村市長も翻弄
名古屋市の河村たかし市長は2日、名古屋市役所で定例会見を行った。新型コロナウイルスの感染拡大防止策としての学校などの一斉休校について、「これ以上感染が広がらないように、できれば家で過ごして」と、子どもたちに理解を求めるメッセージを読み上げつつ、「子どもが家でじーっとするのは無理。遠慮せずに学校に来てもいい」と真逆の見解も示した。 【会見ノーカット】名古屋市・河村たかし市長が定例会見(2020年3月2日)
3日から各学校を開放、幼稚園も対象
2月14日から今月2日までに市内で27人の陽性患者が判明している名古屋市では、国の要請を受けて2日から市立の全小中高校と特別支援学校の臨時休業を決定。要請の対象ではないが幼稚園も休業する。子どもたちは実質、春休み明けまで通常の登校、登園をしない。卒業式は河村市長がいったん中止を表明したが、対策を取った上で実施する方針になった。 一方、自宅で「どうしても」保護者が見守ることのできない園児や児童生徒に対しては、3日から24日までの平日、各学校や幼稚園を開放することにした。小学校は午前8時45分から、申し込みをした児童を受け入れ、室内で読書や自主学習などをしてもらう。午後2時以降は、市で行っている放課後事業「トワイライトスクール・トワイライトルーム」に引き継ぐ。民間主体の学童保育(放課後児童健全育成事業所)には、終日開所する「春休み並みの対応」を求めている。 河村市長はこうした市の対応を説明しながら「本当は家でじーっとしてもらった方が(感染拡大防止には)ええんでしょうが、それでええのかね」と疑問を呈し、「遠慮せず学校に来りゃあいい。先生は給料もらっておるんだから。全員来たとしても、それはそれでいいと思いますよ」などと述べた。 市の教育委員会が児童を「一部屋当たり10人以内」に抑えるよう各校に目安を通達していることについても「10人なんてまったく無根拠。10人超えても帰すはずがないでしょう」と教委側との認識のズレを示した。 また、学童保育の負担について「学童の皆さんに(大勢の児童を)頼んで、学校は10人しかいらんとか、これちょっとええのかね」などと不満を表明。学童保育への支援を市としても独自に検討するとした。 (関口威人/nameken)