【記者解説】自民党総裁選→首班指名→衆院解散総選挙…国政の動きにはどんな意味がある? 急上昇ニュース
今回の急上昇ニュースは、慌ただしくなった国政の動きです。自民党総裁選を経て、10月1日、石破茂総裁が総理大臣に選出されました。そして解散総選挙へと進んでいきますが、この動きの意味について前川記者が解説します。 (前川裕喜記者) 「自民党総裁選、解散総選挙。毎日、ニュースのキーワードになっていますが、どう関連しているのか改めて見ていきます。 総裁は、自民党という政党のトップのことなんですね。9月27日に石破さんが選ばれました。そして総理大臣は、政権を担うトップのことで、国会議員の投票によって決まります。国会では多くの場合、政党に所属する議員が政党が立てた「推し」に投票します。今は自民党が過半数の議席を持っていて、自民党の議員は党の「推し」としてトップの石破さんに投票しました。その結果、石破さんが10月1日、総理大臣に指名された訳なんです。今回、この流れは慌ただしかったですよね」 ・・・確かに気づいたら石破総理が誕生していました 「8月14日に前の総裁である岸田文雄前総理が総裁選に出馬しないと表明して、9月12日に総裁選が告示、27日に投開票が行われ、そして10月1日、石破新総理の誕生です。この間、わずか1ヵ月半でした。 今回、OHKでは、石破新総理への期待をアプリのアンケートで聞いてみました。137件の回答があり63.5%が支持する。それ以外が支持しないでした」 ・・・期待感を持っている人が多いですね 「次に何をしてほしいかという質問に対してキーワードを分析しました。「物価高」や「賃上げ」、「景気回復」など、経済面への関心の高さが分かりました。 では石破総理の考えや内閣の顔ぶれを見てみましょう」 石破総裁は10月1日、首班指名によって第102代の総理大臣に就任。石破内閣を発足させました。 (石破茂首相) 「政治家として大切にしてきたのは国民の納得と共感ということ。デフレを脱却するかどうかの瀬戸際にいる。賃上げと投資がけん引する成長型経済を実現するため岸田政権の成長戦略を着実に引き継ぐ。早期に物価高で苦しんでいる人を支援する経済対策の検討指示を行う」 地元からは衆議院岡山5区選出の加藤勝信元官房長官が財務大臣で入閣、衆議院比例中国ブロック選出の阿部俊子文部科学副大臣が文部科学大臣として初入閣しました。 (加藤勝信財務相) 「(首相からは)経済あっての財政ということで、賃上げと投資がけん引する成長型経済を進めてほしいということだった。地方創生、地域活性化という意味では地域の金融機関がその力を十二分に発揮してもらうことも大事。一つ一つの課題に取り組んで、ますます成果を出す」 (阿部俊子文部科学相) 「(首相からは)文部科学大臣ということで国を守る、国民を守るということで指示をもらった。重責で緊張しているがしっかり努力する」 (前川裕喜記者) 「新たなスタートという雰囲気ですが、ここまでの政局の中で国民が直接何かするというプロセスがありません」 ・・・そういうところが今回の動きが他人事のように思ってしまうのかも 「こうした動きの中、国民が直接、関われるのが、解散総選挙です。石破首相は10月9日に衆議院を解散する方針を示しています。改めて国民が衆議院議員を選ぶことを通して石破総理、ひいては自民党政権の信を問います。選挙の日程は10月15日公示、10月27日投開票となりました」 ・・・ただこの日程だとちょっと大変なのでは 「そうなんです。岡山は県知事選挙が10月27日投開票ですので、県政史上初めて国政選挙と重なります。それに岡山は、人口の偏りによる1票の格差を是正するため、これまでの5つの区割りが見直され、新たな4つの区となります。同日の日程や区割り変更による混乱を考えれば選挙事務の負担は大きくなります。 現在、岡山・香川では各政党が候補の擁立を発表しています。野党第1党の立憲民主党も新しく野田佳彦代表となり、野党間での連携の動きが出てくるかもしれません。 先ほどのアンケートで次の衆院選の争点についても聞きました。 「裏金」や「クリーン」「政治資金」「派閥」などが見られ、自民党の派閥による裏金問題は高い関心が寄せられています。また深刻な人口減少問題や物価高騰の問題などは地方から国に声を届けないといけません。政局によって作られたチャンスを生かして、声を届ける時が来ています」
岡山放送