施設園芸に必要な環境測定装置 自作できる? 日本農業新聞の若手記者が挑戦
高機能化も可能
本体が完成し、プログラムもできたところで、実際に動かし、3秒に1回、全5項目を測定してみた。測定中は外見上、本体にランプが付くだけなので不安に感じた。パソコンで確認すると確かに測定できていた。 施設園芸では、栽培環境の測定はかなり進んでいるという。しかし、施設のどの部分にセンサーを設置するかといった、解決しなければならない課題が多いことも分かった。 山本さんは「今回の装置は気軽にできる技術。農業者が自分のイメージをかなえられれば、モチベーションにつながる」と捉えている。温湿度や日射量などの他にも、画像撮影や重量計など世の中に出回っているセンサーにもプログラム次第で対応できるという。「これまでとは違った角度での活用が期待できる」という言葉に、自作装置の将来性を感じた。 <取材後記> パソコン上に測定データが表示された時は正直言って、ほっとした。 試験場のサポートとマニュアルのおかげで思ったよりも簡単に完成させられた。難しいと感じたのは工具の使い方や、センサーの選び方で、詳しい人のレクチャーが必要だと感じた。プログラム用ソフトに関しても、パソコンに慣れていない人は厄介だと感じるだろう。センサーの一部には高価なものもあり、精密なデータではない。自己責任も伴う。 しかし、マニュアルの通りならば5000円以下に収まり、制作時間も2時間半程度。市販の環境測定機器を購入する前に、試しに作ってみるといった選択肢が増える。 帰り際に山本さんに「初めての人が難しいと感じるところを知れた」と話していた。マニュアルは改訂して年度内に公開予定。分かりやすさに貢献できれば、うれしく思う。 (古庄愛樹)
日本農業新聞