イノシシによる農作物被害1億7000万円超え イノシシの学習能力を逆手に“わな” 地域安全と共存の取り組み
イノシシとの共存を目指して
鹿児島大学・高山准教授は今後の対策について、「電気柵、金網柵、ネット柵など、いろいろ資材は販売されています。ただそれだけだと不十分なので捕獲。荒れた農地を出来るだけ減らしていく。3つの取り組みがうまくリンク、つながる形で対処していく必要がある」と提言する。 一方で高山准教授は「イノシシが人を積極的に襲うことはないと考えたら良い。彼らも怖いんですね」とも話す。 イノシシと遭遇して大きな声を出したり、スマホで写真を撮ったりすると逆にイノシシを刺激してしまう。むしろ「静かにゆっくりと後ずさりするような形で、近くに電柱があればその影に隠れたり、ちょっと高いところがあればそこに登ったりするのがよい」とアドバイスした。 鹿児島市教育委員会もイノシシを刺激しないよう「遭遇しても目を合わせない」といった対策を市内の小中学校に通達している。 地域住民の安全を守りつつ、野生動物との共存を模索する鹿児島の取り組みは、全国の同様の問題を抱える地域にとっても参考になるだろう。イノシシと人間が互いの領域を尊重しながら、いかに共存していくか。その答えを見つけるための挑戦が、今、鹿児島で始まっている。 (鹿児島テレビ)
鹿児島テレビ