【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第3ステージ】歴史の扉を開いたスプリント ビニヤム・ギルマイがエリトリア人ライダーとして初のツール勝利「エリトリア、そしてアフリカ大陸全体に大きな意味をもたらすステージ優勝だ!」
なおも集団はひとつ。94.3km地点に設定された中間スプリントポイントは、フィニッシュ勝負さながらの争いに。ここはマッズ・ピーダスン(リドル・トレック)が1位通過。スプリント時のトップスピードは、時速77.3kmまで上がっている。
その後はおおよそ時速40km前後のスピードで集団は進行。リドル・トレックやチーム ジェイコ・アルウラーもコントロールに加わって、ステージを狙う意思を示し始める。途中、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタン)がパンクしたタイヤを交換。コース近くが地元のマッテオ・ソブレロ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は、家族やファンクラブが待つ4級山岳でトップを走行するなど、細かな動きが見られるようになる。この流れからファビアン・グルリエ(トタルエネルジー)が単独先頭に立って、集団に対して50秒ほどのタイム差を得た。
ただ、グルリエの独走も一時的なもの。フィニッシュまで28kmを残したところで集団がキャッチし、終盤戦に向けて各チームが隊列を成し始める。残り25kmを切る頃には、そのスピードは時速50kmを超えた。
緊張感が増すプロトンにトラブルが相次いだ。残り13kmではカスパー・ピーダスン(スーダル・クイックステップ)が落車し、フィニッシュ前6kmのポイントではマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)がパンク。
マチューを失ったアルペシン・ドゥクーニンクは、さらなる痛手を被る。数チームが入り乱れて主導権争いを展開する中、残り2.6kmで大規模なクラッシュが発生。ここにエースのフィリプセンが巻き込まれてしまったのだ。
「クラッシュする前の段階でチームメートとはぐれてしまっていて、成す術がなかった。原因? ちょっと分からないね。ダメージがほとんどなく済んだことが幸いだよ」(ヤスペル・フィリプセン)
このクラッシュで集団は完全に崩壊。最前線には20人程度しか残らない状況となる。アンテルマルシェ・ワンティは複数人を残し、トレインを乱さない。残り1kmで先頭に立って、そのまま最終コーナーを抜けた。
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