J1磐田が連敗ストップ…浦和とドローもMF金子翔太の同点弾で4戦ぶり勝ち点
◇明治安田J1リーグ ▽第15節 磐田1-1浦和(19日・エコパ) ジュビロ磐田は浦和と1―1で引き分け、連敗を3で止めた。先制を許した直後の後半26分、開幕戦(2月24日、対神戸)以来の出場となったMF金子翔太(29)が同点ゴールを放り込んだ。J1での得点は22年10月8日の鹿島戦以来589日ぶり。4試合ぶりに勝ち点を挙げたチームは次節、25日にホームで湘南と対戦する。 *** ありったけの感情をボールに乗せた。後半26分、中央で待ち構えた磐田・金子はMF上原のシュートに反応。右ワンタッチでネットを揺らした。失点後のキックオフで触れてはいたが、実質的な“ファーストタッチ”で仕留めた。「サッカーの神様はいるんだな。きょうは自分でもやれると感じていた」と感慨に浸った。 苦しみ、もがいた。毎年コンスタントに30試合前後出場してきたが、11年目の今季は開幕・神戸戦(0●2)に途中出場して以降、ぱたりと出番が途絶えた。故障はない。コンディションは、決して悪くなかった。「本当につらかった」。背番号40のグッズを身に付けるサポーターの姿が目に入る度に、もどかしさで胸が締めつけられた。 「出ていない時にどれだけやれるか」。若手にはそう繰り返し伝え、気持ちは腐らせなかった。どんなボールが飛んでくるか予測がつかない「イレギュラーシュート」の練習を毎日重ね、じっとチャンスを待った。名前のコールは失点から2分後の後半25分。わずか1分後、チームを4連敗の危機から救う一撃を突き刺した。試合後の中継インタビューでは自然と目が潤む。「年を取ったかな。僕以上に家族や親がつらい時間を過ごしていたのを思い返した」と正直に吐露した。 清水に在籍した18年にも浦和戦で計3得点。「僕、“隠れレッズキラー”なんですよ」と照れた。起用が的中した横内昭展監督(56)は「チームのためになりたいという気持ちが乗り移った1点」と拍手した。 前半守備的に入ったチームは何とか後半のCKによる1失点でしのぎきり、しぶとく勝ち点1を積んだ。「まだまだ。もっともっと結果で(うっぷんを)晴らしたい」と金子。チームとともに、自身も復活ロードを歩んでいく。(武藤 瑞基) 磐田GK川島永嗣(後半アディショナルタイム、相手シュートが味方をかすめコースが変わる難しい場面でビッグセーブ)「あそこまでみんなハードワークしてくれた。仕事ができて良かった」
報知新聞社