納車直後に「新車」をぶつけてしまった!「ディーラーを出る直後」なら無料で直せる? 元ディーラーの筆者が解説
いよいよ待ちに待った新車の納車。しかし車を受け取った後、ワクワクした気持ちでドライブに出た矢先に「ゴンッ」とぶつけてしまう……ということも起こり得ます。その際、修理費用は誰が持つことになるのでしょうか。元ディーラーの筆者が本記事で詳しく解説します。 ▼トヨタ「アル・ヴェル」は月々でいくらの支払いが必要? 返済額を試算してみた!
慣れない車で起こりがちなトラブルの一つ
新しい車が納車され、初めて運転する時はワクワクしますが、気をつけなければならないのが「慣れていない」ということです。今まで乗っていた車の後継車種であれば、さほど戸惑いはないかもしれませんが、軽自動車やコンパクトカーからミニバンやセダン、SUVといった大きな車に乗り換えると車のサイズがそもそも違うので慣れるまで時間が必要です。 筆者がディーラーで働いていたとき、新車が納車されてから日数が経過していない状態でぶつけてしまったお客さんがお店に助けを求めにやってくる、ということが何度かありました。最近の車は運転支援技術が進化しているとはいえ、注意が必要です。
基本的に車を受け取ってしまっているので自己負担
ここからが本題です。例えば新車の納車が終わってディーラーから出る直後にガードレールなどに車をぶつけてしまった場合、修理費は車の持ち主負担になるのか、それともディーラー負担になるのかという問題について見ていきます。 結論からいうと、新車を受け取ってしまっている以上、車の持ち主が修理費を負担することになります。ただし、接触事故で過失がない場合は、事故を起こした相手方が修理費を負担することになります。単独で起こしてしまった事故は自己負担です。
車を受領する前の接触事故の責任の所在はどこにある?
次に新車が納車される前に事故などで車に傷がついた場合を考えていきましょう。新車の納車前には「登録」という車検証とナンバープレートの取得作業が行われます。その際に車の所有者の名義を登録します。そのため納車前であっても、車検証上の名義人は車を購入した人になります。 ただし、車を引き渡す前は名義に関係なく車を販売したお店(ディーラー)に車の所有権があるので、責任の所在はディーラーにあります。 筆者が実際に経験したトラブルの一つに、新車が店舗に搬入されて保管している時に接触事故が発生して新車に傷がついたという事案がありました。この時はやはりディーラー負担で修理をし、お客様に対する補償を行いました。 また、新車を納車するときに「受領書」と呼ばれる書面でのやり取りを行うディーラーもあります。この場合は受領書にサインをした時点で車の受け渡しが完了したとみなされるケースもあります。 新車の納車時までに傷があることは稀といえそうですが、受領書にサインをする際は、あらかじめ車の内外装をくまなくチェックしてから署名するようにしましょう。