ジェシー”杉浦”の活躍が待ち遠しい…思わず目を惹いたゲスト俳優は? ドラマ『モンスター』第3話考察レビュー
趣里主演ドラマ『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)が放送中。本作は、得体のしれないモンスター弁護士・神波亮子が、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かうリーガル・エンターテインメント。今回は、第3話のレビューをお届けする。(文・ふくだりょうこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】趣里&ジェシーコンビに萌え…貴重な未公開写真はこちら。主演ドラマ『モンスター』カット一覧
精子提供をめぐるトラブル
「これが普通だから」 そんな言葉だけで全てを解決できたら、人生はどれだけイージーモードだろうか。 今回は、精子提供者が経歴を詐称しており、訴えられるという案件。東大卒だというから精子提供を受けたのに、それが嘘だと言うなら…ということだ。 しかし、亮子(趣里)のもとに依頼してきたのは、訴えられた精子提供者・斉藤文哉(佐藤寛太)でも、訴えを起こした長岡茉由(吉本美憂)でもない。長岡と同じく、斉藤から精子提供を受けて妊娠したという夫婦だった。日本有数の企業である五条グループの跡取り息子の五条和彦(渋谷謙人)とその妻・亜佐美(佐津川愛美)だ。 五条夫妻の依頼は、自分たちが示談金も支払うから、裁判になって事が大きくなる前になんとしても収めて欲しいというものだった。夫である和彦が無精子症であることと、自分たちが精子提供を受けていたことが世間にバレたくない、というなかなかのトンデモ案件だ。 子どもが欲しいが、なかなか授からない。そんなとき、第三者から精子提供を受ける、というのはひとつの方法としてはある。それについての是非は、人によってさまざまな気持ちがあるだろうから、個人の考えに預けたい。
“普通の幸せ”とは何なのか
亮子が亜佐美にどうして子どもが欲しいのか、と問うと亜佐美は「子どもが欲しいというのは普通のことでしょう?」と言う。 亜佐美としては、結婚して子どもを産むことは普通だし、五条家には跡取りが必要。そして夫の機嫌をとることは何よりも重要なことだった。そうでないと、家にいることができないから。それは生活していくために必要なことだから。 それが幸せなのかどうかはどうでもよくて、生きていくことができればいい、というように見えてしまう。 亜佐美のもともとの考え方もあるかもしれないけれど、夫に抑圧されていたとしても、今の裕福な生活を守ることができるなら耐えられる範囲内だったのだろう。 もちろん、ドラマだから少し大袈裟に描いている部分はあるだろうけれど、多かれ少なかれ共感する人もいるのではないだろうか。 しかし、後半になって新たな事実が発覚する。亜佐美は、実は斉藤からの提供で妊娠したわけではなかった。亡くなった元恋人の冷凍保存していた精子で妊娠していた。本来であれば、亡くなった時点で破棄されなければならないが、友人の医師・竹下(朝井大智)が協力してのことだった。 「神波先生も女だったら分かるでしょう?」と亮子に話す亜佐美の口ぶりから、亜佐美の性格も垣間見える気がする。自分は何も悪くない、悲劇のヒロインと思っている…と解釈するのはちょっと意地が悪いだろうか。 (とは言え、見ず知らずの人の子どもを妊娠するという怖さも気持ちは分かる。亜佐美の夫がどう思うかは別として) どちらにしても、自分の幸せがなんなのか決めるのは自分次第。環境はもちろん、住んでいる地域によっても幸せの形は変わる。そう考えると、幸せとはなんと曖昧なものなのだろう。