「寝酒」で高血圧、高脂血症、糖尿病等のリスク増!「酒は就寝3時間前まで」と専門家が警鐘
映画などで、たびたび登場するナイトキャップのシーン。だが、寝酒は睡眠にとって悪影響だと話すのは、All About「医師・睡眠」ガイドを務める坪田聡医師だ。 今回は、酒と睡眠の上手な付き合い方について話を聞いてみた。
――お酒を飲むと眠くなるのですが、それでもお酒は睡眠に良くないのでしょうか? お酒が寝つきを良くすることは間違いないのですが、睡眠全体で考えると悪影響が大きいですね。 ――なぜ、睡眠に良くないのでしょう? 理由はいくつかあります。 まずアルコールを摂取すると最初は眠くなるのですが、体内のアルコール濃度が薄くなるときに覚醒効果が表れるためです。 また、飲み過ぎると、翌日二日酔いになりますよね。これはアルコールが分解されて発生するアセトアルデヒドという物質のせいなんですけど、睡眠中にアセトアルデヒドが増えると睡眠が浅くなることもわかっています。眠りが浅いということは、体にとってはストレスになるわけです。 ――お酒を飲むと夜中に目が覚めるというのは、そういう理由なんですね! もう1つ、お酒がもつ利尿作用もあります。通常、睡眠時は抗利尿ホルモンというホルモンが分泌されます。日中と違って、6~8時間もトイレに行かなくても大丈夫なのは、このホルモンのおかげなんです。 ところがアルコールはこの抗利尿ホルモンの働きをブロックするため、2~3時間するとトイレに行きたくなる。眠りが分断されるため、睡眠の質は必然的に悪くなります。
――身に覚えがあります……。 身に覚えがない悪影響もあるんですよ。アルコールを飲むと、顔や足が浮腫むという人がいますよね。こういう方は、喉も浮腫むんです。そうすると喉の空気の通り道である気道が狭くなるため、いびきをかきやすくなります。 また、人によっては仰向けに寝ると舌が喉に落ち込んで、睡眠時無呼吸症候群になる危険もあります。飲んだときだけいびきをかくという方は、この傾向が強いので注意しましょう。