ホンダ、スウェーデンで2025年2月からバッテリシェアリングサービスの実証実験開始
本田技研工業とGoCimo(ゴーシモ)は11月5日、スウェーデンのマルメ市で2025年2月から1年間の予定でバッテリシェアリングサービスの実証実験を実施すると発表した。 【画像】Honda Power Pack Exchanger e: ゴーシモは、スウェーデンで交換式バッテリ搭載電動二輪車のレンタルとシェアリングサービスを展開する企業で、都市物流市場の拡大によるデリバリー・運送業におけるCO2排出量増加や交通渋滞などの課題解決を目的に2022年に設立。これまでにスウェーデンの2都市(ストックホルム市・ヨーテボリ市)で、バッテリシェアリングサービスを展開している。 今回の実証実験は、欧州でのバッテリシェアリングサービスの受容性および、今回新たに試験運用するバッテリ交換ステーションの適合性に加え、サービス事業としての成立性の検証を目的に実施。ホンダが欧州で販売する電動二輪コミューター「EM1 e:(イーエムワンイー)」を用いて、マルメ市内3か所に設置するバッテリ交換ステーション「Honda Power Pack Exchanger e:(パワーパックエクスチェンジャーイー)」で、交換式バッテリ「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパックイー)」のバッテリシェアリングサービスの検証を行なう。 この実証実験でホンダはEM1 e:を30台、Honda Mobile Power Pack e:を60個、Honda Power Pack Exchanger e:を3基など、ハードウェアとシステムを提供するとともに、これらのアフターサービスを担当。ゴーシモは、バッテリシェアリングサービスの運営、顧客獲得活動、顧客管理、バッテリ交換ステーションの設置場所の確保などを担当する。 また、ホンダとゴーシモは今回の実証実験を通じ、欧州市場における長期的なパートナーシップの可能性も含めて検討を開始していくとした。 ホンダはこれまでに日本、インド、インドネシア、タイでバッテリシェアリングサービスを展開しており、今回のスウェーデンでの実証実験開始は5か国目。今回のゴーシモとの取り組みを皮切りに、欧州の大都市で法人ユーザー向けを中心にホンダの製品を用いたバッテリシェアリングサービスを拡大していくことで、欧州における二輪車の電動化促進と、交換式バッテリの普及を目指し、モビリティの電動化をサポートするとともに、低炭素社会の実現に貢献していくとしている。 本田技研工業 執行職 二輪・パワープロダクツ 電動事業統括部長 三原大樹氏は、「ホンダはグローバルでの電動二輪車普及を進めています。今回のGoCimoとのバッテリシェアリングサービスの実証実験で欧州における電動二輪車の新たなビジネスモデルを構築することにより、それを今後事業化し欧州地域全体へと展開していくことで、電動二輪車とHonda Mobile Power Pack e:の普及を加速させてまいります」とコメント。 GoCimo CEO マティアス・ティンヴァル氏は「GoCimoはこれまでに、欧州での電動二輪車向けバッテリシェアリングサービスのビジネスモデルの検証に成功しています。当社のバッテリシェアリングサービスは、法人ユーザーにとって、投資のハードルを下げるとともに、充電によるロスタイムを最小化し、また充電時の安全性を向上させることで、電動二輪車への移行を支援するものであることを、多くのお客さまに知っていただいています。今回のホンダとの実証実験により、バッテリシェアリングサービスの市場可能性をさらに追求することができると考えています」とコメントしている。
Car Watch,編集部:北村友里恵