[山口県]月200時間超す時間外・休日労働も 違法109事業所 山口労働局23年度監督指導結果
山口労働局は、長時間労働の疑いがあると考えられる事業所に対し、2023年度中に行った監督指導結果を取りまとめた。対象となった県内の289事業所のうち、109の事業所で違法な時間外労働を確認。二つの事業所では、時間外・休日労働時間が1カ月当たり200時間を超えるケースもあった。同労働局は「今後も長時間労働の是正に向けた取り組みを積極的に行っていく」としている。11月は過労死等防止啓発月間-。 同労働局では、日頃の相談対応の中で1カ月当たりの時間外・休日労働時間が80時間を超えている可能性があったり、長時間労働に関しての労災請求があったりした事業者を対象に、監督指導を実施。23年度は289の事業所が対象となり、このうち何らかの法令違反があった事業所は212あった。業種別では製造業が50と最も多く、商業36、接客娯楽業25、運輸交通業22-と続き、労働時間に関する違反を確認したのは109事業所に上った。 労働時間で法令違反があった109事業所のうち、時間外・休日労働時間が最も長かった人を調べたところ、月100時間超は27事業所、同150時間超は4事業所、同200時間超も2事業所あった。 同労働局監督課は「新型コロナウイルスが(感染症法上の位置付けで)5類に移行となり、経済活動が活発化する中、(中小企業を中心に)人手不足が顕在化している可能性も考えられる」と指摘。一方で、「どんな状況下であっても事業者は法令を順守することが求められる」とした上で、「もし、長時間労働などで悩みがある場合は労働基準監督署や『労働条件相談ほっとライン』へ相談してほしい」と呼びかけている。 ほっとラインは平日午後5時から10時、土、日曜・祝日は午前9時から午後9時まで無料で受け付けている。電話番号は0120・811・610。 山口労働局による2023年度中の監督指導結果 主な業種 対象事業所数 商業 62(うち労働時間に関する違反事業所は28) 製造業 64(同31) 保健衛生業 25(同8) 接客娯楽業 27(同13) 建設業 20(同8) 運輸交通業 30(同9) その他 35(同6)