豪雨の際、日常を「まさかモード」に切り替えて 災害から命を守る「基本」とは
台風14号が今週末、進路を日本に向ける形でUターンし、近畿地方に接近する見込みとなった。豪雨による水害や土砂災害から、自分や家族の命をどう守るべきか。「大雨に警戒を」と呼びかけられても、具体的にどう避難すれば良いのか。中野元太・京都大防災研究所助教(防災教育学)に「避難の基本」を聞いた。 【写真】「Uターン」する台風14号の進路
-まず、何をすべきか。
自分の地域のハザードマップを見る。水害や土砂災害の危険、避難所がどこにあるかが分かる。実家の両親や友人がいる地域もチェックすれば、避難の声かけを電話ですることもできる。ネットで「ハザードマップ ○○(地域名)」で検索すると、「水害編」「土砂災害編」が見つかるし、紙のマップも市区町村でもらえる。
-次にすべきことは。
避難時に持ち出す物の準備。飲み物、日持ちする食べ物、着替え、懐中電灯、スマートフォンを使っているなら充電用のモバイルバッテリーをすぐ持ち出せるようにしておく。
-最近は「週末に注意」と、大雨の危険が事前に報じられるようになった。数日前にできることは。
避難所の場所を知らない高齢者や単身者は多い。散歩がてら避難所まで事前に行ってみるのがおすすめ。「あそこに避難しよう」と行動に移しやすくなる。
-「きょう明日、大雨が降る」という予報の時は。
(1)ハザードマップを見る(2)持ち出す物を準備する(3)避難所まで一度行ってみる-をした上で、次に大事なのは「声掛け」。「今夜大雨が降って、避難するかも」と家族や近所に声をかけておく。人間は普段の生活から「まさか」の対応に気持ちを急に切り替えるのが難しい。徐々に「普段モード」から「まさかモード」に切り替える必要がある。前日から「まさかが起こるかも」と心づもりしておくことが大事。
-雨が降り始めてからは、どうすべきか。
降り始めてからは、さまざまなシナリオが起こりうる。「二つの情報」に注意を。一つは、気象庁が出す「大雨警報」や市区町村が出す「避難指示」といった気象や避難に関する情報。もう一つは「周囲の情報」。「激しい雨が降っているな」と思いつつ寝床に入り、朝起きると自宅前が水浸しになっていた経験はありませんか?