マイクロソフトが加賀に拠点 生成AI開発、人材育成 特区特例活用、市施設内に
日本マイクロソフト(東京)が加賀市内に生成AI(人工知能)の開発と、それに関連する人材育成を担う拠点を開設する。全国6カ所目、北信越地区では初の施設で、専用機器などをそろえ、専門家による技術指導を実施してエンジニアを育てる計画だ。同市は政府の認定を受けるデジタル田園健康特区の特例措置を活用し、関係法令など各省庁への申請を一括して受け付ける窓口を設け、自由度の高いAIを開発する環境づくりを後押しする。 【写真】加賀市イノベーションセンターが入るかが交流プラザさくら 日本マイクロソフトと市が8日、包括連携協定を締結する。同社は生成AIを使ったサービスや商品の開発に力を入れており、大聖寺八間道の市イノベーションセンター内に「マイクロソフトAI&イノベーションセンター(MAIC)」を開設する。 MAICでは、専門家や有識者による技術指導、AI分析が可能な専用機器・端末を貸し出して、開発や人材の育成に取り組む。クラウドサービス「アジュール」を最大15万ドル分まで無償利用できるなど、マイクロソフトのスタートアップ(新興企業)支援サービスが提供されるという。 生成AIの開発や導入には、著作権法、個人情報保護法などのほか、ガイドラインの確認などで関係各省庁との調整が必要になる。 デジタル田園健康特区の特例措置を受け、イノベーションセンター内に設置しているワンストップセンターを活用すれば、こうした省庁への窓口を一本化することができるという。市は利用者の負担を軽減した「AIエンジニア特区」と名付けて、AI関連の企業や人材の誘致も目指す。 市とマイクロソフトは、自治体内で使う新システム「行政AIトランスフォーメーション(AX)」の構築を視野に入れており、より職員の利便性を向上させた新たな仕組みの研究も進める。