上越市立水族博物館が6月リニューアルオープン 「日本海と一体」型の展示
上信越・北陸地方では有数の規模で建設が進む新潟県の上越市立水族博物館が6月26日に開館することが決まり、市が11日に会見で明らかにしました。これまでの水族博物館は老朽化などで昨年5月に休館。旧施設に隣接する新施設は110億円余を投じた最新の展示システムを備え、愛称は「うみがたり」。県内外からの来館者も増える見込みで、市は地域活性化への期待も膨らませています。 【動画】休館直前の上越水族博物館 水槽の中に舞う“夜桜” (2017年4月)
シロイルカ展示、イルカは通年飼育
2016年5月、上越市の日本海沿いに鉄筋コンクリート造り地上3階、延べ床面積約8400平方メートルで着工。建物本体の87億円余を含む総工費113億円余で工事を進めてきました。 展示の中心となる大水槽は水の容量が1000トンで、大小約60の全ての水槽の総容量は3500トンに上ります。700トンだった旧施設の大水槽に比べても大規模化しています。
旧施設でも世界一の飼育数を誇ったマゼランペンギン120羽に加え、同県内では初となるシロイルカの飼育展示も予定。水に生きる生物300種、4万5000点を飼育展示します。点数は旧施設の4倍以上です。 市によると、新施設「うみがたり」の特徴は、(1)水族博物館の目の前に広がる日本海と一体化した展示、(2)世界の多様な動物たちと目の前で“語り合える”ような場面設定の導入、(3)ペンギンの生息環境を再現して直接間近に観察できる環境を用意するなど、未来につながる自然保護の意義を伝える――の3点を柱にしています。
例えば、水槽の水面と日本海がつながって見える設計になっていて、日が沈む時刻には、水槽の中の動物たちが広い日本海で泳いでいるようなイメージが楽しめます。この「日本海・夕日ゾーン」は大水槽の上部に設けてあります。 大水槽の下方には水中トンネルを設け、魚たちを見ながら海の中を散歩しているかのような体験ができるようにしました。従来の水中トンネルとの違いは、来場者が歩いている床の部分まで透明なチューブにした点で、魚たちが来場者の頭上から足の下まで泳ぎ回る姿を見ることができます。