フランス映画史に欠かせない! 女性監督とその注目作15選
『ムッシュ・カステラの恋』 2000年
無粋な中堅企業の社長が、舞台女優兼英語教師にひと目ぼれし、図らずも芸術の魅力に目覚めてゆく。恋の力で変わってゆく主人公をジャウィのパートナー、ジャン=ピエール・バクリが絶妙に演じたセザール作品賞作。
エマニュエル・ベルコ(1967年-)
身近な世界で起こる現実を見つめる社会派 カンヌ国際映画祭女優賞受賞の『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』(2015年)など役者としても活躍し、2001年に監督デビュー。ドラマを語るより社会や人を映し出すことに興味があるという。『愛する人に伝える言葉』('21年)では患者や家族の心の揺れを描きつつ終末医療に光を当て、ブノワ・マジメルがセザール賞主演男優賞に。
『太陽のめざめ』 2015年
親に育児放棄され、非行を繰り返す少年マロニーを、家庭裁判所の判事(カトリーヌ・ドヌーヴ)たちが支え続ける。少年の怒りや心の傷を見つめ、更生の鍵となる愛情や信頼を浮かび上げるベルコのまなざしが感動を呼ぶ。
マイウェン(1976年-)
女優から監督へ、異色作が映画祭で評価 俳優一家に生まれたマイウェンは、17歳でリュック・ベッソンと結婚、離婚。うつ病を公表するなど波乱の女優として知られていたが、30歳を境にカンヌ国際映画祭審査員賞の『パリ警視庁:未成年保護部隊』(2011年)や今年の同映画祭オープニング作『Jeanne du Barry』など、監督としての才能も注目を集めている。
『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの 理由』2015年
堅実な女性弁護士がセクシーなレストラン経営者と恋に落ちて結婚、妊娠するが……。過ぎ去った愛の嵐を振り返る主人公のエマニュエル・ベルコ、弟ルイ・ガレル、 “王様”という名のダメ男ヴァンサン・カッセルと、3人そろってハマり役。
アンヌ・フォンテーヌ(1959年-)
女性の人生の奥深さをとらえ続ける 女優から監督に転身し、『ドライ・クリーニング』(1997年)でベネチア国際映画祭脚本賞を受賞。『ココ・アヴァン・シャネル』(2009年)、『美しい絵の崩壊』('13年)、『夜明けの祈り』('16年)と、ジャンルにとらわれることなく話題作を発表し続けている。