ファンの声援に応える大谷（ＡＰ）

　ドジャースの１２年連続となるプレーオフ進出に大谷翔平投手（３０）がメジャー史上初の「５０―５０」の偉業で花を添えた。敵地・マーリンズ戦に「１番・指名打者」で先発出場し、３本塁打、２盗塁で一気に前人未到の記録どころか、「５１―５１」まで到達。６打数６安打１０打点で歴史的な一日となった。 【動画】圧巻の一発に大歓声！３打席連続５１号！！ 　豪快な一発をかっ飛ばすホームランバッターが、俊敏に盗塁を重ねるのは難しい。塁上をかき回す韋駄天がホームランを量産するのも同様だ。ホームランと盗塁、ともにこれだけ量産するのは、まさに離れ業と言える。 　４０本塁打＆４０盗塁の「４０―４０」ですら、ＭＬＢの長い歴史で昨年まで５人だけ。レアな大台記録で、達成者は「４０―４０クラブ」として称賛の対象となる。 　１９８８年にカンセコが４２本塁打＆４０盗塁で初めて達成し、以後、９６年ボンズ、９８年Ａ・ロドリゲス、０６年ソリアーノが続いた。昨季はアクーニャが４１本塁打、７３盗塁で１７年ぶりに達成。今年の大谷が続いた形だが、大谷は史上最速の出場１２６試合で達成し、次の大台へと突き進んだ。 　「５０―５０」の異例さが分かる記録がある。過去にシーズン５０本塁打以上での最多盗塁は「２４」。１９５５年メイズ（５１本塁打）、２００７年Ａ・ロドリゲス（５４本塁打）がマークした。 　一方、シーズン５０盗塁以上での最多本塁打は「４１」。前述の２３年アクーニャがマークしているが、いずれにせよ「５０－５０」は相当にハードルが高いことがうかがえる。 　なお日本のプロ野球では、シーズン４０本塁打以上は昨年まで５９人（１２４度）、４０盗塁以上は７６人（１６６度）いるが、同一シーズンに両方をクリアした「４０－４０」の選手は一人もいない。惜しかったのは１９８７年秋山幸二（４３本塁打・３８盗塁）の例が知られている。