「闇バイトに応募」実行役、事件前に警察に相談 都内の強盗未遂事件
首都圏を中心に相次ぐ強盗事件で、東京都三鷹市の住宅に押し入ったとして警視庁に逮捕された男が、事件直前に地元の京都市の警察署を訪れ、「闇バイトに応募した」などと相談していたことが捜査関係者への取材で分かった。男はその後別の闇バイトに応募し、三鷹市の強盗未遂事件に加わったという。 警視庁によると、男は大学生佐円昌紀容疑者(23)=京都市下京区。10月30日午前1時10分ごろ、ほかの人物と共謀し、三鷹市大沢2丁目の戸建て住宅に押し入り、住民の70代の男性の首を絞めて金品などを奪おうとした疑いがある。事件当日の夜に東京都豊島区の交番に出頭し逮捕された。 容疑者は「金に困ってX(旧ツイッター)で『ホワイト案件』と検索した」などと供述。匿名性の高い通信アプリ「シグナル」で指示され、事件直前に上京したという。 捜査関係者によると、佐円容疑者は10月28日、母親と京都市の警察署を訪れ、「闇バイトに応募して身分証明書の画像を送ってしまった」と相談。テレグラムで特殊詐欺の受け子や出し子を指示されたという。受信拒否したが、別のアカウントから「全部分かっている」「逃げられないぞ」と送られてきたという。 署員はテレグラムを消去するよう求め、保護措置の協力を提案した。だが翌29日夕、本人から辞退の申し出があり、再び闇バイトに応募したとみられるという。京都府警にはこうした相談が複数寄せられているという。 この事件ではほかにも共犯者がいるとみられ、同課は現場にいた他の人物の行方も追っている。(関ゆみん、遠藤美波)
朝日新聞社