日立ヴァンタラ、「VSP One」によるハイブリッドクラウド機能を拡充
日立ヴァンタラ株式会社は13日、データプラットフォーム「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP) One」のハイブリッドクラウド機能を強化したと発表した。5月に販売開始したミッドレンジストレージ「VSP One 2U Block Appliance」とソフトウェアデファインドストレージ(SDS)「VSP One SDS Cloud」による、クラウドへのリモートコピー機能を提供開始する。 今回はVSP Oneにおいて、VSP One 2U Block Applianceのクラウド連携機能の強化を行い、クラウド上で提供しているSDSソリューションVSP One SDS Cloudとのシームレスなデータ連携を実現した。 具体的には、エンタープライズシステムで実績のある日立ストレージの非同期リモートコピー機能「Hitachi Universal Replicator」を用いた、オンプレミスとクラウド間のデータ連携を実現。同期リモートコピー機能と比べて、大幅なサイト間距離拡大と、サイト間距離に依存しない応答性能を同時に実現しつつ、データ順序と一貫性を維持する独自技術が、ハイブリッドクラウド環境で利用できるようになったとのこと。 これにより、クラウドへのバックアップ、ディザスタリカバリやセキュリティ対策など、ハイブリッドクラウドを活用した企業システムの堅ろう化が期待できるとしている。 また、クラウドに最新データを自動で同期するため、クラウド上でのデータ二次利用が容易となり、生成AIを含めた高度なデータ分析に役立てられる点もメリット。さらにクラウドへのデータ連携は、オンプレミスのみの構成と比べ、ストレージコストを約20%削減可能になるとした。 このほか今回は、VSP One SDS Cloudが対応している日立独自のデータ保護技術「Hitachi Polyphase Erasure Coding」において、マルチアベイラビリティゾーンへの対応が追加され、より広域の障害にも対応可能な可用性を実現した。 クラウドストレージ間でのデータ連携機能を活用すると、企業データの確実な保護、サイト障害時の迅速な復旧・業務継続、クラウド間でのディザスタリカバリも可能になるとのことだ。 さらには、ハイブリッドクラウドのデータ連携を支援する、設計・構築サービス「Hitachi Remote Copy設計&構築サービス forハイブリッドクラウドストレージ」を提供。さまざまなユースケースを熟知したエンジニアが、各企業の要件に合わせた設計・構築を提案することにより、最適なハイブリッドクラウド環境の設計・構築を支援するとしている。
クラウド Watch,石井 一志