お隣ホール経由のパーセーブも 松山英樹は大荒れショットで我慢の「68」
◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 3日目(16日)◇フェニックスカントリークラブ(宮崎)◇7042yd(パー71)◇雨(観衆2529人) 【画像】ラストゲームを終えて…上田桃子が会見 松山英樹はスタートホールの1番ティショットを右の林に打ち込み、パー3の3番は左ピンに対して右端ギリギリに乗ったショットに思わずクラブで地面を叩いてしまった。4番はドライバーショットがフェアウェイをとらえたが、ティを拾いながら首を振る…。 雨のフェニックスCCで「大変な一日でした」とこぼすラウンドを象徴するのは、パー5の7番だろう。ティイングエリアで右手の動きを何度も確認しながら、ドライバーショットの直後に両手を離して「フォアー!」。右林の奥に入ったボールを隣の5番のフェアウェイに出し、松林越えの3打目をグリーン脇に運んで、何とかパーで切り抜けた。
「マックスが伸ばしていたし、何とかいいきっかけつかんで、5打差ぐらいで終われたら良かったんですが」。同じ最終組だったマックス・マクグリービーが快調にスコアを伸ばし、7番終了時にはスタート時の4打差を9打差まで広げられた。 パー3を除く14ホールで、3日間中最多の9ホールでフェアウェイキープしたが、ショットの出来は3日間で最低だったかもしれない。それでも、4バーディ、1ボギーの「68」なのだから、ある意味スゴイ。8番で3mを沈めて最初のバーディを奪い、332ydの13番はワンオン狙いから、チップインイーグルを惜しくも逃して1パットのバーディ。14番は2打目をベタピンにつけ、最終18番を下り2.5mを流し込むバーディで締めくくった。
首位マクグリービーと何とか7打差で耐えて迎える最終日。51回目を迎えた大会の過去最大逆転劇はスコット・シンプソンが優勝した1984年大会の「7打差」だ。奇しくも同じ差だが、そんなことは考えていられない。 「差は(4打から7打に)開いてしまったけど、明日はとにかくいいプレーがしたい。前半に伸ばさないと、完璧なゴルフをしないとチャンスはない」。冠スポンサーの住友ゴム工業(ダンロップ)と用具使用契約を結ぶホストプロとして、降り続いた雨の中でついて回ってくれた数百人のギャラリーのためにも、まだ諦めるわけにはいかない。(宮崎市/加藤裕一)