バス事故は年間2200件超! 急ブレーキを減らすために「間に合うダイヤ」が絶対必要なワケ
「間に合うダイヤ」のメリット
「間に合うダイヤ」を導入すれば、さまざまなよい点がある。 まず、安全性が向上する。余裕を持たせることで、無理に最大速度を出す必要がなくなり、急発進や急ブレーキが減少する。その結果、乗客の転倒事故や車内での事故リスクも低くなる。 また、ドライバーのストレス軽減にもつながる。無理をしない運転ができるようになり、精神的・肉体的な負担が減る。これにより、運転ストレスや疲労の軽減も期待できる。 さらに、燃費効率の向上も見込まれる。余裕を持った運転は燃費の改善にもつながる可能性がある。そして、乗客の満足度向上にも寄与する。結果的に定時運行が守られ、乗客の信頼が高まり、安全性が強化され、快適なバス利用が実現する。
現状ダイヤでの問題点
現在の路線バスのダイヤには、 「ピーク時の交通量」 を考慮していないために余裕がなく、渋滞への対応が不十分な点が見受けられる。特に、信号の右左折での待機時間が長くなるが、そのことがあまり考慮されていない事例が多い。 また、集客のために路線バスが幹線道路の裏の生活道路をあえて通ることもあり、これが 「歩行者の飛び出し事故」 を増加させている原因となっている。さらに、幹線道路を走る場合、追い越しや急な車の割り込みが増え、その結果として急ブレーキをかける頻度も高くなる。このような状況が続くことで、路線バスのドライバーの肉体的・精神的なストレスが増大しているのだ。 加えて、バスドライバーの「2024年問題」により、拘束時間には大きな制約がかかるようになり、時間に余裕のないダイヤが標準となり、結果的に遅延が発生することが予想されるというシナリオが見え隠れしている。 都市交通計画の面では、路線バスが接近した際に信号の青時間を延ばすなどの対策が検討されている。信号の待機時間が長いことがあらかじめわかれば、ドライバー側の心理的プレッシャーも軽減されるはずであり、外的環境からの運転支援が重要である。