【菊花賞】乱戦模様の展開を制したアーバンシック、そのスケールは“キタサンブラック級”の活躍を予感させる?
勝ったアーバンシックは、父スワーヴリチャード、母エッジスタイル(父ハービンジャー)という血統。昨年8月のデビュー戦(札幌・芝1800m)を勝利で飾ると、11月の百日草特別(1勝クラス、東京・芝2000m)を連勝。今春は京成杯(GⅢ、中山・芝2000m)でダノンデサイルの2着に食い込むが、その後は皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)が4着、日本ダービー(GⅠ、東京・芝2400m)が11着と、クラシックでは上位馬に歯が立たなかった。 しかし、ひと夏を越して成長を見せたアーバンシックは新たにルメール騎手を鞍上に迎えると、秋の始動戦となったセントライト記念(GⅡ、中山・芝2200m)でコスモキュランダに1馬身3/4差を付けて差し切りで快勝。ルメール騎手が手綱をとって勝利を挙げた馬が4頭も菊花賞にエントリーするなかで指名を得ると、乱ペースに惑わされずロスなく進路をとる名手の好アシストを受けて一気に頂点まで上り詰めた。 実は本レースのプレビュー記事で、菊花賞の過去10年を馬体重でフィルタリングすると、500㎏を超える大型馬が勝利を挙げたのは2015年のキタサンブラックのみだったことをお伝えした。ことしも2着のヘデントールが472㎏、3着のアドマイヤテラが482㎏と500㎏を下回っていたが、アーバンシックは510㎏。この伝で言えば、スケール感を感じさせる本馬は将来的に”キタサンブラック級”の活躍が見込めるのかもしれない。 ヘデントールとアドマイヤテラは、8枠から外を回っての競馬となったが、アーバンシックに届いたとは考えづらく、両頭とも現状の力を出し切っての結果と映る。そのなかでも、アドマイヤテラで早めに仕掛けて勝負に出た武豊騎手の”読み”の確かさが光る。 ダノンデサイルは、「1周目でごちゃついたが、競馬だから仕方ない。最悪の流れのなか、6着までよく頑張ってくれた」(要旨)と横山典弘騎手がコメント。第3コーナー付近から鞍上に促されながらの追走となったが、末脚の鋭い切れ味を見る限りバテていたとは考えられず、一種の”ズルさ”を出したか、揉まれ弱いメンタルか、もしくはダービーからの”ぶっつけ”参戦によるレース感の問題によるものではないか。能力は間違いなく世代トップクラスだが、ときにこうした凡走も有り得るタイプかと推察する。 その他で目に付いたのは、最速の上り(35秒4)で5着となったビザンチンドリーム。追い込み一辺倒の脚質ではあるが、きさらぎ賞(GⅢ、京都・芝1800m)を勝ったポテンシャルの高さをあらためて感じさせる競馬だった。展開の助けがあれば何時”一発”があっても不思議はなく、怖い存在として記憶しておきたい。 <了> 取材・文●三好達彦
【関連記事】
- 騎乗停止の藤田菜七子、“スマホ持ち込み問題”でネット上は意見百出「公営ギャンブルである以上ルールが厳しいのは当たり前」「今の時代スマホ禁止って難しい」
- 「日本の競馬ファンのアイドル」藤田菜七子元騎手の電撃引退に英紙が異例特集! 恩師が明かした「引退届を泣きながら書いていた」に衝撃隠せず
- 「アイドルみたい!」藤田菜七子、ショートパンツ姿の“ノーバン始球式”オフショットが話題に!「めっちゃ綺麗」「ドキっとします」
- クラシック三冠の“最終戦”となる菊花賞、G1初挑戦となる期待の上がり馬ヘデントールを主力に抜擢したい!
- ルメール騎手&木村調教師の『世界最強』コンビに孝行娘誕生! レガレイラの戴冠は父の“種牡馬の価値”をも高めた【ホープフルS】