東京湾アクアラインの通行料が最大2倍に! 深夜帯は半額の時間帯別 新料金制度を来年4月に導入……〈多事走論〉from Nom
現状は案となっていますが、県土整備部道路計画課の担当者は年内には正式決定して、できるだけ早く新料金の周知を図りたいとおっしゃっていました。 というのも、下のグラフにあるように、現在のアクアライン料金の社会実験の認知度はまだまだ不十分と感じているようで、通行料金など具体的な内容まで認知してもらって通行時間の変容を起こしてもらうためには従来以上の周知活動を行う必要性を感じているようです。 ──アクアラインを利用して南房総地域を訪れた千葉県外在住者の社会実験の認知度は69%で、具体的な実験内容まで認知している方は35%。認知している方のうち、通行時間帯やルートの変更を行った方は42%、目的地に長く滞在するなどして通行時間帯を遅くした方は19%にとどまっている。
確かに、複数のツーリングスポットや袖ヶ浦フォレストレースウェイなどに行くため、1年に何度も通行する方も多いライダーにとってはとても身近な存在のアクアラインですが、一般の方はごくたまに使うのが一般的でしょうから、時間帯別料金制度があることまでご存じの方は少なくても当然かもしれません。 さらに、南房総地域に行く目的の大半は観光・遊びやアウトレットでのショッピングでしょうから、1日遊んだ後に料金が安くなるからと言って20時(案では適用時間帯を19時に1時間繰り上げられました)まで現地にとどまろうと思う方も少なくて当然。だからこそ、さらに料金を上げて分散を図ろうとしているのでしょうが、分散効果が上がるよりも、我々利用者のお財布を直撃することになる可能性が高いようにも思います。 また、下り線の5時から7時を1000円(二輪は800円)に変更するとのことですが、ツーリングでもサーキット走行でもゴルフでも、スタート時間を考えるとその時間帯にアクアラインを通らざるを得ないケースが多く、こちらも費用負担が増えそうです。
千葉県はアクアラインの3車線化とトンネルの追加を要望
そもそも論ですが、アクアラインの渋滞にはまるたびに思うのが「この道路は設計ミスじゃないの」ということです。ここまでアクアラインの交通量が多くなって渋滞が激しくなるのを想定していなかったのか、夕方の木更津金田料金所に至るまでの導入部と、前述の首都高から川崎浮島ICの合流の大渋滞は起こるべくして起こっていると思わざるを得ません。 令和5年にアクアライン通行料金の社会実験が始まるタイミングで、「アクアラインの3車線化とトンネルの追加を千葉県が要望」という報道をこのコラムでご紹介したのは覚えていらっしゃるでしょうか。 実際に、その年の8月に千葉県の熊谷知事から「地方創生と国土強靭化を実現するための道路予算の確保に関する要望書」が提出されて、その中にアクアラインの橋梁部分の6車線化や、アクアライン着岸地周辺の国道409号については国道16号との交差点から木更津金田インターチェンジ間の2車線区間の4車線化が必要と、道路の拡幅という物理的な方法での渋滞緩和策が記載されています。 ただ、その後、この要望に関する進展に関しては発表や報道はありません。 千葉県にとっても、アクアラインは南房総地域の観光振興のための重要な道路だと思います。であれば、変動料金制などという利用者が利用を控える、あるいは利用者にとって使いにくくなるような施策を行うことは本意ではないのかもしれません。 渋滞で迷惑するアクアライン周辺の住民も、そしてアクアライン利用者にも負担をかけないような解決策が早期に実現することを願うばかりです。 ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
●文:Nom(埜邑博道)