呼び込め「デジタルノマド」 観光振興へ企業と協定、和歌山県那智勝浦町
和歌山県の那智勝浦町は15日、国境を越えて旅行をしながらIT関連の仕事をする「デジタルノマド」と呼ばれる外国人らをいち早く呼び込みたいと、寺社に特化した宿泊・体験サービスを展開している企業「シェアウィング」(東京都)と包括連携協定を結んだ。町内にある歴史的建造物も活用し、先進的な観光振興を目指す。 【集まれデジタル住民 人気コスプレイヤーがPR、和歌山県那智勝浦町の記事はこちら】 「ノマド」とは英語で「遊牧民」という意味。デジタルノマドはリモートワーク時代の新たな働き方として注目されているだけでなく、高所得者が多いため、滞在する地域への経済効果が大きいと期待されている。日本政府も今年4月からデジタルノマドを対象とし、半年滞在可能なビザの発給を始めた。 那智勝浦町はシェアウィング社と連携することで、観光振興や地域経済の発展を図る。同社は「OTERA STAY(お寺ステイ)」として、同町内にある大泰寺を含め7都府県で11の宿坊の運営や運営の支援をしている。自治体と包括連携協定を結ぶのは初めてという。 具体的には、歴史的建造物の新しい活用方法、デジタルツールを使った訪日外国人向けの情報提供システム、将来にわたる観光資源の保護と活用に関する取り組みを計画している。 15日は同町役場で協定式があり、堀順一郎町長と同社の佐藤真衣社長が協定書に署名した。 堀町長は「デジタルノマドは全世界に3500万人いると言われる。いち早く魅力を発信し、デジタルノマドの皆さんを先進的に取り込んでいきたい」と期待を込めた。 佐藤社長は「那智勝浦町には世界遺産やさまざまな歴史的な資源があり、これを生かしたまちづくりに貢献できれば。2週間から3カ月ぐらい滞在する方が地域に来てくれると経済効果も大きく、移住やその地域への貢献など新しいことに目を向けてもらえるチャンスが広がる」と話していた。
紀伊民報