【ついに改正】国の虐待対応マニュアルから「揺さぶり」診断基準を削除 「セカンドオピニオン推奨」で改善するのか 脳の専門医は「国の“責任放棄”だ」
■脳の専門医は「国の“責任放棄”としか思えない」
国のマニュアルの問題を以前から指摘してきた脳神経外科の朴永銖医師(奈良県立医科大学病院教授)は、「脳の専門医から見てマニュアルに医学的根拠がないことは明らかだった。なぜ問題のある基準を国が採用し続けて社会的混乱を生じさせたのか、その検証が全くされていない。削除しただけでは国の“責任放棄”としか思えない」と国の対応を厳しく批判する。
こども家庭庁は、マニュアル本文の記載を削除した理由について「児童福祉現場が直接理解・判断することが難しい」からとしている。 しかし、マニュアルの”3徴候”基準や「必ずSBSを第一に」といった記載は、むしろ非常に理解・判断しやすい内容だったのではないだろうか。誰でも分かる単純化された診断基準だったからこそ、医師、児童相談所、捜査機関の現場に一気に浸透し、その結果、不当な長期親子分離や冤罪が増えていったのではなかったか。 こども家庭庁の担当者に問うと、「医師の見解もあるので、医師に根拠どうなんですかと私たちが問うのも難しい」と本音を漏らした。今後、医療現場でSBS診断がどのような根拠で行われていくのか注視していく必要がある。 (関西テレビ報道センター記者・上田大輔)