数字が苦手なビジネスマンでもよくわかる!…「会社の経営成績」が読み解ける「損益計算書」の超キホン【公認会計士が解説】
決算書を見れば「企業の強み」がわかる
先生:損益計算書からわかる情報は、1年間で稼いだお金だけではありません。どの段階の利益が多いかを見ることによって、企業のどこに強みがあるかがわかります。また、売上高とそれぞれの利益をくらべれば、どれぐらい効率的にお金を稼いでいるのかがわかります。また、利益や利益率を同業他社と比較してみると、その企業が稼ぐ力が強いのか、弱いのかを評価することができます。 生徒:少ない費用で大きな売上を上げることが効率的ですね。
頻出する簡単な指標…「利益率」とは?
先生:新聞やニュースでよく出てくる簡単な指標が「利益率」です。これは利益を売上高で割った数字です。売上高のうち、どのくらいが利益となって残ったのかを示すことで、効率的にお金を稼いだかどうかが分かります。日本の上場企業の売上高純利益率の平均値は5%程度だと言われていますね。 生徒:平均5%というのは、なんとなく低い感じですね。 先生:利益率は業種によって異なります。薄利多売になりがちな小売業や卸売業のように商品を仕入れて販売する業種の利益率は低くなります。製造業では、医薬品などの業種の利益率は、自動車や家電に比べて高くなります。単純に比較するだけではなく、業種によって違いが出ることも覚えておくといいですね。 生徒:ブランド品の利益率は高いのでしょうね…! 岸田 康雄 公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
岸田 康雄