フランスで大ヒットした高倉健“伝説の名作”が草なぎ剛主演で復活 知られざる2人の関係にも注目
役者として大成した姿を
映画「ミッドナイトスワン」(20年)では、体と心の葛藤を抱えながら生きるトランスジェンダーの主人公・凪沙を演じた。ショークラブで働きながら、母のネグレクトに耐えながら暮らす遠戚にあたる中学生・一果(服部樹咲)を預かることに。性別適合手術のため貯金していた凪沙も次第に一果が実娘のように思え、自分の理解者になっていく一果のため、バレエ教室の費用として貯金を切り崩す決意をしたが、2人を待ち受けていたのはあまりにも悲しすぎる結末だった。 「おそらく、SMAP時代だったらこのオファーは受けなかったでしょう。海外で性転換手術を受けるシーンなどリアリティーがありました。何度もリピート鑑賞するファンが続出し、彼らは『追いスワン』と呼ばれるようになりました。いまだに東宝シネマズ日比谷では毎週水曜に1回だけ上映。異例のロングランとなっています」(前出・記者) 同作で「ブルーリボン賞」や「報知映画賞」の主演男優賞、「日本アカデミー賞」の最優秀主演男優賞を受賞するなど、映画賞を総なめにした。「ブルーリボン賞」受賞のインタビューではこう語っている。 「お世話になった先輩方に『立派な賞をいただきました』と報告したい。健さん、(大杉)漣さんからいただいた要素を膨らませて、いろんな役ができている。芝居はキャッチボールですから、周りの方が僕を形成している。すべてがつながって今になっている」 5月には主演する時代劇作品「碁盤斬り」(17日公開)も控え、役者としての力量も十分な草なぎ。公開から40年経っても“名作”と絶賛される、「新幹線大爆破」に挑む。 「製作費は5.3億円で、当時としては破格です。しかしながら国内の興業は不発に終わりました。撮影前、国鉄(現JR)に協力を依頼したところ、何よりも安全第一で新幹線を運行していることから、一切の協力を拒否され、東映のポスターを全国の駅から締め出すこともありました」(前出・記者)