神戸、開始直後からどとうの攻め 「大黒柱」のため強めた結束
◇◯ヴィッセル神戸2―1セレッソ大阪●(13日・ノエビアスタジアム神戸) この一戦を必ずものにする。強い意思を感じる神戸の攻めだった。試合前の予想に反し、セ大阪は3バックで臨んできた。吉田孝行監督は「想定内。自分たちは対応できる積み重ねがある」と意に介さず、開始直後から襲いかかった。 前半2分、CKでDF山川哲史が頭で合わせたシュートは相手GKに阻まれるも、ゴール前にいたDFトゥーレルが押し込んだ。 「狙い通り。相手のウイーク(弱点)を突けた」と吉田監督。9分後には、DF広瀬陸斗がペナルティーエリアの外から右足を振り抜き、ゴール左隅に突き刺した。 試合前の時点で首位・広島との勝ち点差は3。連覇に向けてエンジンをかけたい場面で悲報がチームを襲った。今月3日、主将のMF山口蛍が練習中に左膝を負傷し手術を受けたと発表された。全治は10~12週間という。 大黒柱を失う逆境に、チームは結束した。同じMFの扇原貴宏は「(山口が)シーズン終盤に帰ってくると思っている。その時にしっかり自分たちが優勝争いをしている状況で蛍くんを待つのがベスト。それが蛍くんのモチベーションにもつながる」。主将を思い、一体感を強めた。 広島と勝ち点で並び、プレッシャーをかけた。17日からはアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)が始まり、今後は過密日程が待ち受ける。吉田監督は「連戦の良いスタートが切れた。順位は気にしていない。目の前の試合だけに集中して選手たちには戦ってもらう」。歓喜の瞬間に向け、一丸で戦う。【生野貴紀】