あなただけの「技術」、本にしませんか? ミドル世代にこそすすめたい「同人誌」の世界
十人十色の「技術」であふれる同人誌即売会
出版不況と言われる昨今ですが、一方で、近年同人誌市場が大きな賑わいを見せています。コミケ(コミックマーケット)や文フリ(文学フリマ)などが有名ですが、今回は「エンジニアの祭典」「技術書のお祭り」という一風変わった同人誌即売会「技術書典」をご紹介します。 【写真】こんな内容でも同人誌になる!あなたの技術も本にできるかも! 筆者が技術書典に出会ったのは、先輩作家の朱野帰子さん(代表作『わたし、定時で帰ります』)が急に売れた作家が置かれる状況と、対策を書いた同人誌『急な「売れ」に備える作家のためのサバイバル読本』を出展すると聞いたことがきっかけでした。 技術書典ではオンラインで開催される一方、オフラインでも池袋のサンシャインシティで実施され、大勢の人で賑わいます。初めて同人誌即売会へと足を踏み入れ、驚いたのはその熱気と活気! それだけでなく、技術書典には、初めての人でも受け入れてくれる温かさがありました。 技術書に限られているので、テック、ハックという内容の本がずらり。めちゃくちゃニッチな技術を、思い思いにとんでもない熱量で綴った同人誌は、商業誌にはない自由さ、超個人的な内容ならではの面白さなど、マニアックな魅力がぎっしり。 筆者は商業出版をしている人間ですが、気が付けば同人誌、出したい……!!! と心に炎が灯っていました。そして、5月26日に開催された「技術書典16」のオフラインイベントでは、売り子として参加できることに。今回はその魅力を、現地の参加者の声と共にレポートします!
「技術」を伝える本ならどんなジャンルでもウェルカム!
技術書典の会場に着くと、出展者にもお客さんにも、小さなお子さん連れが多い! なんと、託児サービスがあるんだとか。子ども連れでも安心して参加できます。 技術書典は主催がエンジニアのチームなので、とにかくテクノロジーを駆使しまくっていることが特徴。事前にアプリをダウンロードすることで、QR決済で後払いが可能。また、紙の本を買うとなんと無料で電子版もついてくるんです。 「エンジニア、デザイナー、中には手芸の技術書を出す方もいて、我々としては『技術』を伝える本ならどんなジャンルでもウェルカムです。本という形でも販売できますが、PDFのデータだけでも販売できますし、本にはしたいけど在庫を抱えたくないという人には『受注生産』という形も。我々が半額を負担する仕組み※で、サポートしています」(技術書典 主宰 日高正博さん) 直近で開催された「技術書典16」では、売り上げが過去最高を記録。オンラインマーケットも大きな盛り上がりを見せますが、オフライン会場では直接作り手と会話したり、偶然の出会いを楽しめたりするのも大きな醍醐味です。