24年“J助っ人”ベストイレブンは?|柏の「10番」は愛されるべき王様だ。MVPは優勝チームのCB【識者選出】
トルガイは観客を魅了するテクニックも申し分なし
2列目の右にはC大阪のルーカス・フェルナンデス。アシスト10はリーグトップ。キックの精度はもちろん、ドリブルの仕掛けも魅力的で、スリリングなシーンを多く作り出した。 左には柏のマテウス・サヴィオ。全試合スタメンで9ゴール・7アシスト。「10番」はサッカーで言えば王様とも言えるが、総スプリント回数リーグ5位、総走行距離はリーグ7位で、チームのために走れるマテウス・サヴィオは裸の王様ではなく真の王様、愛されるべき王様。「10番」が本当にふさわしい。 中央には広島のマジシャン、トルガイ・アルスラン。14試合で8ゴール。サッカーが上手いか、楽器を上手く演奏できれば世界を渡り歩けると聞いたことがあるが、トルガイ・アルスランならどの国でも、どんなサッカーでも活躍できそうな上手さがある。個人の技量と組織の方向性との折り合いの付け方も素晴らしく、観客を魅了するテクニックも申し分なし。途中加入ながらインパクトは特大だった。 前線一人目は得点王の横浜のアンデルソン・ロペス。強さや豪快さも魅力だが、ワンタッチでゴールを決める時に絶妙に角度を変えてキーパーの届かないところへシュートを打てる繊細さも魅力的。2年連続得点王は本当に素晴らしい。 前線には強力助っ人も多く、セレッソのレオ・セアラは21ゴールで活躍を見せたし、鳥栖のマルセロ・ヒアンも見逃せないが、途中加入ながら15試合で11ゴール、京都のラファエル・エリアスをもう一人のFWに入れたい。ゴールに向かう獰猛さが群を抜いていたし、そのエネルギッシュさがチーム全体を引き上げ、マルコ・トゥーリオのパフォーマンスを押し上げた。まさに救世主と言える働きで、チームを救ったと言っても過言ではない。 この中でMVPを選ぶなら神戸のマテウス・トゥーレル。優勝チームにふさわしいセンターバックで、強さが際立っていた。頼りになるセンターバックのマテウス・トゥーレルを助っ人MVPにさせていただきます。 取材・文●平畠啓史