50銘柄も持っていると「迷走」の原因に…「配当株投資」をエンジョイする「株の管理法」
---------- 株を買って保有することで、その企業が利益の中から株主に分配する「配当金」によって利益を得る「配当株投資法」。この投資法を具体的に解説した著書『新NISAで始める! 年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』が話題になっている配当太郎さんに、所有している株の「管理」の重要性と見るべきポイントについて解説いただいた。 ---------- 【一覧を見る】運用資産1億円の投資家が保有する115銘柄を一挙公開…!
配当株投資では株の「管理」が大きな意味を持つ
すでに配当株投資を始めている人の中には、無配や減配のリスクを分散させるために、20~30銘柄どころか、50銘柄以上の株を保持している人も少なくないようです。 投資は自己責任ですから、銘柄数が多いことを否定するつもりはありませんが、あまりにも多くの株を所有してしまうと株の「管理」がきちんとできなくなり、それが「迷走」の原因になります。 株の管理は、配当株投資を進めていく上で重要な意味を持っていますから、その仕組みとポイントを整理してお伝えします。 配当株投資とは、「年間配当金」を増やすことを目的とした投資法です。 年間配当金は、次のような3つの要素で構成されています 年間配当金=持ち株数× { 1株配(1株当たりの配当額)+増配} 配当株投資では、主力銘柄を淡々と買い続けて「持ち株数」を増やすことが最優先の課題ですが、それと並行して、決算時に発表される業績などを確認して、投資先企業の健康状態をチェックすることが大切です。 企業が株主や投資家向けに業績や財務状況を開示する「決算」には、1年に一度の決算期に行う「本決算」と3カ月ごとに行う「四半期決算」があり、その内容はおおむね45日以内に「決算短信」として発表されます。 この他にも、投資判断に必要な情報を企業が自社のウェブ上で公開する「企業IR」などもチェックしておく必要があります。 これが、株を「管理」するということです。
投資先をチェックする4つのポイント
私の場合は、ウェブサイトの『株探(かぶたん)』などで、3カ月に1回のペースで発表される「決算短信」に目を通して、「投資先の企業が今どうなっているか?」を知るようにしています。 チェックしているのは、次の4つのポイントです。 (1)「売上高」は企業が予想した通りに上がっているか? (2)「営業利益」は伸びているか? (3)「純利益」(利益から経費を差し引いた最終的な利益)は出ているか? (4)「1株当たり利益」は出ているか? 「1株当たり利益」(EPS)とは、企業が「1株ごとに、どのくらいの純利益を出しているのか?」を見る指標です。 これらのデータによって、「この企業は増配になりそうだな」とか、「もしかすると増配は厳しいかもしれないが、減配はないだろう」など、自分なりの予想を立てて、今 後の展開を考えたり、次の一手を検討したりしています。 株を管理することによって、その企業の現状や「増配」の可能性を予測することができますが、相当に手慣れているか、時間的に余裕がある人でなければ、すべての企業を細かく管理するのは難しいように思います。 あまりにも銘柄数が多くなると、チェックの目が行き届かなくなり、どの株をどのくらい買い増していくか……という判断に影響が出ます。 そうした状態が続くと、自分が買っていない銘柄にあれこれと目移りすることになり、迷走を余儀なくされてしまうのです。