22/7の7周年ライブは“ゆるふわ”“ハッピー”“セクシー”の共演&14thシングル披露「幸せを噛み締めながら8年目も駆け抜けます」
22/7(ナナブンノニジュウニ、通称「ナナニジ」)の結成7周年を祝う「22/7 Anniversary Live 2024」が11月9日、10日に東京・THEATER MILANO-Zaで開催された。初の試みとなる3つのユニットによる看板公演では、メンバー考案のセットリストやコーナーでそれぞれの個性を発揮。千秋楽(千穐楽)では、2025年2月発売の14thシングル「ロックは死なない」をサプライズで披露した。 【写真】アンコールではメンバーがこれまでに見たことないイメージの衣装で登場 ■幕開けは天城サリー、西條和、椎名桜月による自由奔放なステージ 22/7は秋元康総合プロデュースの元、Sony MusicとAniplexがタッグを組んだデジタル声優アイドルプロジェクト。22/7のユニットは、演じる担当キャラクターのタイプによってメンバーが構成され、幕開けとなる初日昼公演は“ゆるふわ”な「気の抜けたサイダー」(天城サリー、西條和、椎名桜月)が看板を担う。 とにかく自由奔放な3人は、「蛍光灯再生計画」の持ち歌である「僕のホロスコープ」を“勝手に”披露し、どちらがその曲にふさわしいかという本家との「セクシーなセリフ」対決で不正(SEの使用)をしながら勝利を収めたかと思いきや、「おさがりなんていらなーい」と曲を放棄するという展開に。 さらには他メンバーも巻き込み、9人がパジャマ姿で自分たちのユニット曲「ソフトクリーム落としちゃった」を歌うという、最強“ゆるふわ”タイムを作り上げていく。 その後、どうやらメンバーたちは眠ってしまっていたらしく、眠りから覚めた他メンバーたちが舞台袖へ戻っていく姿を見送りながら「夢かぁ…」とつぶやく天城に、西條と椎名が寄り添い披露されたユニット最新曲「声優になりたくて」は、まさに彼女たちの“夢”を歌った楽曲。 高らかに憧れを歌う天城、明るく瞳を輝かせる西條、優しい歌声で背中を押す癒やしの椎名、壮大なミュージカル映画を彷彿とさせるひとときが感動を呼ぶ。 さらに、やりたい放題の自分たちを許してくれるメンバーとファンへの感謝とともに「大好きな皆さんに、心を込めて送ります」と伝え、歌うのは「好きと言ったのは嘘だ」という笑いを誘う選曲。 「ゆるっとふわっと」では飽き足りない天城のいたずら心が「ビリっと」与える衝撃も、このユニットの魅力であることは間違いないだろう。当初、かわいい曲と重たい曲のミルフィーユでセトリを組もうとしたが、卒業した涼花萌に引かれ、さすがに西條も「自分が持っている1番強いスタンプ」で止めたという、彼女たちらしいエピソードも明かされた。 ■会場がハッピーで満ちあふれた「晴れた日のベンチ」看板公演 第二幕は“ハッピー”タイプの「晴れた日のベンチ」(相川奈央、麻丘真央、望月りの)、通称「晴れンチ」がパッションあふれる看板公演を行う。初日昼公演を終えて間もないというのに元気な3人。「タチツテトパワー」「謎の力」、そしてユニットの名を世に知らしめた迷曲「半チャーハン」という火力最大のオープニングに始まり、ライブ感にあふれるパフォーマンスで盛り上げていく。 また、ラジオ風MC企画「晴れた日のラジオ」で投稿されたメッセージを元にトークを繰り広げたり、スマホでの動画撮影可能曲を作ったりと、会場一体になって楽しみたいという思いがコーナーにも現れる。一方で「もう純情は邪魔なだけ」でのクールですごみのあるハーモニーでゾクゾクさせ、明るさの裏にある必死な泥くささも、自身たちの武器であることを痛感させる。 裏テーマに「ヒーロー」があったのではないかと思われるほど全力で戦い、走る選曲で駆け抜け、ラストナンバー「韋駄天娘」へ。ノンストップな心臓破りのセトリに、ファンも声援を飛ばしながら食らいついていく。そして、アンコールでついに披露されたユニット最新曲「炭水化物祭り」。ヘビーなヘッドバンギングを交えながら、食いしん坊のピュアな願いを愛嬌たっぷりに表現していく。 見えてきたゴールを前に、この公演が「一生で一度のもの」だということを胸に頑張ったと話す望月。最後は、9人全員で「半チャーハン」のおかわりで、会場がお腹いっぱいのハッピーで満ちる中、第二幕は終了した。 ■艶やかに9人が舞い踊る「蛍光灯再生計画」看板公演 第三幕、2日目昼公演は“セクシー”タイプ「蛍光灯再生計画」(河瀬詩、四条月、月城咲舞)による看板公演。極彩色のネオンサインに彩られたステージで、煌びやかな着物ドレスに身を包んだ9人が舞う「絶望の花」は艶やかで、百花繚乱ここに極まるといった幕開けに。 「どれだけウェーブ(の振り)を入れても怒られないから、いつもよりクネクネしたい」と宣言するのは、他ユニットながら「蛍光灯」のダンスが大好きな相川。その言葉に火が着いたのか、ユニット最新曲「赤いバラの理由」はフラメンコのような激情感を持って激しく咲き乱れ、それでいて凛とした一輪の花が持つ美しさを物語る。 得意のダンスに加えて、歌唱面でも確かな成長を感じさせる月城。ずぶ濡れになって始まる「読みかけの漫画」から「空のエメラルド」へとポエティックなストーリー仕立てで選曲された「お天気パート」では、3人を中心とした和傘のパフォーマンスが行われ、しなやかで美しい姿が目を奪う。 「見つけろ! 僕のホロスコープチャレンジ」と題したコーナーでは、引いた数字の数が正解人数になるようにファンへ質問を出題。3ユニットの結果を足すと、求めていた「6」になることに気付いた天城の機転で「やっぱり別れていちゃダメなんだ!」と、奇跡の大団円を迎えるも、賞品としてリボンの巻かれた蛍光灯が贈られ複雑な顔を見せる他メンバーたち。 まさかの9人で美の女神像のごとく悩ましいポーズを取り、珠玉の一瞬を作り出した「交換条件」。「それが愛だ」と、真っ直ぐに見つめる河瀬の瞳に射抜かれる。 本編ラストナンバーの「命のつづき」では、四条の魂を揺さぶる叫びに息を飲む。女性的な魅力を知性と清純さを芯に表現する3人の選曲は、全体的にメッセージ性が強く重みがあったが、どこか卒業したユニットメンバーへのリスペクトも感じられたため「蛍光灯再生計画」の“再生計画”という一面もあったのかもしれない。 ここまで、それぞれの公演をリポートしたが、全員で過去衣装を着て、相川、月城の振り付けで披露したダンストラックとその衣装の楽曲は大いに会場を沸かせた。前回の涼花萌の卒業コンサートでは、後輩メンバーが1人一着ずつ着ていた過去衣装が、ついにそろいの衣装となった。 さらに今回の試みでは、看板ユニットのイメージの中で他ユニットのメンバーがその空気感を借りるように、同じ全体曲でも公演ごとに色を変える印象で、あらためて9人の持つ表現の幅に驚かされた。例えば「Just hear and now」の麻丘と相川の公演ごとのせりふの違いは、1つの見せ場に違いない。 また、全公演で選曲された「佐藤さん」は、観客の頭を「佐藤さん」の連呼でシェイクするかの異彩を放ち、バラエティ豊かな22/7が誇る楽曲として、今後さまざまな場面で披露してほしいと思わせる説得力があった。 ■千穐楽のアンコールでは14thシングルを初披露 ついに迎えた千穐楽は「ナナニジ周年大音祭」。毎年、さまざまな趣向を凝らして周年を祝ってきたが、今回はデビュー曲「僕は存在していなかった」からリリース順に披露するという、自分自身を信じることから始まり真っ直ぐに進んできた道で真っ向勝負するかの構成。 さまざまな思いと共に受け継がれてきた楽曲が7年という歴史を語ると同時に、これから向かっていく先への希望を感じさせ、「理解者」の「思い出とかじゃなくて 未来はここにある」というフレーズがひときわ輝く。 「7年だって」と顔を見合わせる天城と西條。「合格した全員とも影が薄かった」と笑いながらも、最終審査の日に天城が自撮りした写真の背景に、たまたま他の10人が写っていたという運命的な逸話を明かす。 結成5年目に加入した河瀬は、憧れを抱いて見ていた「何もしてあげられない」は今でも胸がきゅっとなる曲だと語る。河瀬の初期メンバーに対する敬語がなくなったのは、後輩メンバーたちの加入がきっかけだった。 ユニット看板公演同様、この公演でもまた新たな加入前の衣装を着ることができた6人。2曲目の「シャンプーの匂いがした」からすでに泣きそうになっていたという相川に、椎名も激しく同意する。衣装の丈を直してもらって着る中で気付いたのは、先輩たちの背が平均的に高かったこと。「存在的にだけでなく、物理的にも大きかった」と尊敬の念を伝える。 曲の合間にはせりふはないが、雄弁に彼女たちの物語を伝える少しの芝居が組み込まれる。西條が天城から差し出された手を取り、頷き合う。その後ろからやって来て、2人の肩を抱いた河瀬。それは、不思議とアニメ「22/7」で描かれたキャラクターたちのドラマとも重なる関係性だった。 そして、そのさらに後ろから駆け寄り、飛びつく勢いで抱きついた後輩メンバーたち。ギュッと強く抱きしめ合う9人の体温が伝わる光景は、温かな涙と共に“22/7第二章”の訪れを思い出させる。 「曇り空の向こうは晴れている」の望月のセリフは「希望ちゃん」の呼び名が表すように、未来を指す光となる。当時はコロナ禍でマスクをしていたこともあり、互いの顔をちゃんと見られていなかった中で、望月が天城に「もっと見てください!」と迫ったというエピソードも、パワフルな後輩たちとの融合で進化を遂げた22/7へとつながるエピソード。 相当な曲数ながら、あっという間にたどり着いた本編ラストナンバーは、最新シングル「YESとNOの間に」。メンバーたちのかわいらしいパフォーマンスはもちろん、アニメタイアップとなった喜びも相まって、会場は最高に高ぶる。 アンコールで9人は、白いブラウスとミニスカートにレザーのビスチェ、ロングブーツというこれまでに見たことないイメージの衣装で登場。そして、電撃披露されたのは2025年2月26日(水)発売の14thシングル「ロックは死なない」。 ギターを弾く振りも印象的な熱いロックチューンで、また新たな魅力を開花する22/7。しかも、2025年1月放送のアニメ「不遇職【鑑定士】が実は最強だった」のエンディング曲という2作連続のタイアップとなり、3階席まで埋め尽くされた会場中に興奮の声が湧き上がる。 本編中「歴史を振り返ることができるアニバーサリーライブ。いつナナニジを好きになろうかと思っている人には、今日が1番良い日だと伝えたい」と話していた天城が、代表して最後のあいさつ。 「8年目に突入する今、こうしてうれしい発表からスタートできて本当にうれしいです。皆さんへの感謝の気持ちを日々忘れず、この幸せを噛み締めながら8年目も駆け抜けていきます。これからもナナニジについてきてください!」と締めくくった。 なお、12月には恒例のキャラクターライブである「22/7 CHARACTER LIVE 2024~RED or WHITE?~」、メンバーと一緒に鑑賞するイベント「22/7 ナナ虹≪忘年≫会」の開催も発表された。 ■「22/7 Anniversary Live 2024」第一幕(初日昼公演)気の抜けたサイダー 看板公演 ◇11月9日(土)◇東京・THEATER MILANO-Za <セットリスト> M01.春雷の頃 M02.地下鉄抵抗主義 M03.佐藤さん M04.カントリーガール M05.君とどれくらい会わずにいられるか? M06.シャンプーの匂いがした M07.僕のホロスコープ(気の抜けたサイダー ver.) M08.好きになるのは自由だし… M09.ソフトクリーム落としちゃった(全員 ver.) M10.願いの眼差し M11.声優になりたくて M12.理解者 M13.Just here and now M14.不確かな青春 M15.好きと言ったのは嘘だ EN1.後でわかること EN2.ポニーテールは振り向かせない ■「22/7 Anniversary Live 2024」第二幕(初日夜公演)晴れた日のベンチ 看板公演 ◇11月9日(土)◇東京・THEATER MILANO-Za <セットリスト> M01.タチツテトパワー M02.謎の力 M03.君とどれくらい会わずにいられるか? M04.半チャーハン M05.To goでよろしく! M06.好きと言ったのは嘘だ M07.後でわかること M08.YESとNOの間に M09.佐藤さん M10.もう純情は邪魔なだけ M11.風は吹いてるか? M12.無関心ヒーロー M13.覚醒 M14.韋駄天娘 EN1.炭水化物祭り EN2.半チャーハン(全員 ver.) ■「22/7 Anniversary Live 2024」第三幕(2日目昼公演)蛍光灯再生計画 看板公演 ◇11月10日(日)◇東京・THEATER MILANO-Za <セットリスト> M01.絶望の花 M02.Just here and now M03.世界の矛盾 M04.ヒヤシンス M05.赤いバラの理由 M06.読みかけの漫画 M07.春雷の頃 M08.Rain of lies M09.空のエメラルド M10.僕のホロスコープ M11.僕が持ってるものなら M12.理解者 M13.交換条件(全員 ver.) M14.命の続き EN1.佐藤さん EN2.僕は今夜、出て行く ■「22/7 Anniversary Live 2024」千穐楽(2日目夜公演)ナナニジ周年大音祭 ◇11月10日(日)◇東京・THEATER MILANO-Za <セットリスト> M01.僕は存在していなかった M02.シャンプーの匂いがした M03.理解者 M04.何もしてあげられない M05.ムズイ M06.風は吹いてるか? M07.僕が持ってるものなら M08.ヒヤシンス M09.覚醒 M10.曇り空の向こうは晴れている M11.神様だって決められない M12.僕は今夜、出て行く M13.君とどれくらい会わずにいられるか? M14.後でわかること M15.YESとNOの間に EN1.ロックは死なない