広島の新サッカースタジアム 荒れる芝 猛暑や屋根の日照妨げ影響か 選手のプレーにも影響
J1サンフレッチェ広島の本拠地、エディオンピースウイング広島(広島市中区)のピッチが荒れ、関係者が頭を悩ませている。猛暑に加え、スタジアムを覆う屋根による日照不足が原因とみられる。スタジアム指定管理者のJ1広島は、開業1年目で芝の生育と管理に試行錯誤。チームがリーグ首位に立つ中、大きな課題に直面した。 空からピッチの芝を見ると… 8日にあったYBCルヴァン・カップ準々決勝第2戦のホーム名古屋戦。足を滑らせたり、剥がれた芝に足を取られたりする選手が相次いだ。試合後、ミヒャエル・スキッベ監督が「早急に新しい芝を整える必要がある」と苦言を呈するほど、状態は芳しくない。 2月の開業からサンフレと女子レジーナのリーグ戦やカップ戦、日本代表戦など計約30試合を開催。特に6月以降は試合を重ねるにつれ、ピッチが荒れてきた。 J1広島芝・ピッチグループの水野友博さん(38)によると、日照不足で芝の根が育たず、サウナのような高温で弱ったという。名古屋戦後に緊急対策として芝の部分的な差し替えを約250カ所で実施。ピッチ東側などで芝を刈って穴に砂をまく補修作業をした。 今後は秋に予定していたオーバーシード(冬芝への切り替え)を前倒しして改善を試みる方針。水野さんは「スタジアムの構造上、日照不足による生育不良は毎年起こり得る」と中長期的な対応も検討する。 広島市スタジアム建設部によると、全面張り替えは7年に1回の予定。部分的な張り替えや7年未満での全面張り替えは「必要に応じて指定管理者と対応を協議する」としている。 試合は12月まで続く。サンフレは今月11日に天皇杯全日本選手権の準々決勝に臨み、リーグ戦は優勝争いが佳境に入る。ピッチの悪化は選手のけがやアクシデントを招きかねない。クラブは、選手が安心してプレーできる状態を維持しながら、来年以降の改善策を見いだしていかなければならない。
中国新聞社