【特集】「誰かに勇気を」阪神タイガース・原口文仁 プロ15年間の軌跡(読売テレビ「あすリートPlus」)
◆ケガにも病気にも打ち克つ不屈の男 阪神タイガース・原口文仁
2009年に捕手として、ドラフト6位で阪神タイガースに入団した原口文仁選手。しかし、2012年に椎間板ヘルニア、2013年に左手尺骨の骨折、2014年には右肩の脱臼と、プロ野球人生は度重なるケガとの闘いでした。 プロ野球選手になりたい ~ 心臓バックバク! ドラフト候補の舞台裏 ~ 花開いたのはプロ7年目の2016年。勝負強いバッティングで1軍の舞台でブレイクしまいした。その年、育成経験野手から初めての月刊MVPを獲得し、翌年には開幕スタメンを掴み取ります。さらに2018年にはシーズン代打安打数球団タイ記録と、原口選手の勇姿は、阪神ファンの胸に刻まれてきました。 ところが、2019年1月に大腸がんであることが発覚。当時の手記には、“同じガン患者の方々、またそのご家族の方々にとって少しでも夢や希望となれるよう精一杯、治療に励みたい”と前向きに綴っていました。手術から5年が経ち、プロ15年目を迎えた原口選手。番組では、その軌跡を追いました。
◆「復帰した姿を見せることが使命」前向きに病気と向き合うリハビリ生活
(原口)「がんが見つかった時、最初は自分でも信じられなくて、驚きもありました。僕がしっかり復帰して頑張ることで、少しでも同じがんの患者さんやそのご家族の励みになれるのなら、それが今の僕の使命だと思っています」 がんを公表して2日後に手術を受けた原口選手。約6時間に及ぶ手術は無事に成功し、大腸を13cm摘出しました。当時まだ26歳の原口選手は、すぐにリハビリを始めます。心肺機能の回復のため、歩くことからのスタートでした。 再びグラウンドに立つことを思いながら、5か月間リハビリに励みました。 (原口)「自分の名前がコールされるが想像できているので、楽しみです」
◆「生きて野球をやる意味」は誰かの力になること
2019年6月4日、復帰戦は、ZOZOマリンスタジアムでの対ロッテ戦でした。球場に駆けつけたファンは、“君がまた歩き出す日まで”、“待ってた”などと応援ボードを掲げながら「がんばれ原口!」と大きな声援を送りました。 復帰初打席は、タイムリー二塁打。感謝の思いで放った一打でした。さらにその5日後には、ホームで劇的のサヨナラヒットを打ち、甲子園が熱く沸き立ちました。その日のヒーローインタビューでは、「誰かに勇気を与えたい」という思いが強く表れていました。 (原口)「僕の活躍が力になるとすれば、こうやって生きて野球をやれる意味があると思うので、これからさらに頑張っていきたいと思います」(2019年6月9日ヒーローインタビュー)