“復活”への自賛は一瞬 松山英樹は年間王者シェフラーを「倒せるゴルフしたい」
◇米国男子プレーオフ最終戦◇ツアー選手権 最終日(1日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7490yd(パー71) 【画像】超高額大会で貫いたゴルフの精神 キャリアで最も近づいたと言える年間王者のタイトルには手が届かなかった。松山英樹はポイントランキング3位で迎えた最終戦で通算16アンダーの9位タイ。初日スタート時の7アンダーのハンディキャップを生かせず、順位を下げてプレーオフシリーズを終えた。 前週の第2戦「BMW選手権」を途中棄権した理由になった腰痛は「きのう(3日目)だけ出た」という。翌最終日はバーディを7つと量産しながら、第1打をバンカーに入れた後半11番(パー3)のダブルボギーと、15番(パー3)の3パットボギーが痛かった。「きょうは意外とうまくいっていたんですけど、もう少し安定したプレーができたらなと思う」。出入りの激しかった18ホールを、口惜しさを込めて振り返った。 2月「ジェネシス招待」で2年ぶりに優勝し、2週前の「フェデックスセントジュード選手権」でシーズン2勝目。通算勝利数を10勝に伸ばした。今大会のボーナス160万8333ドル(約2億3481万円)を除く年間獲得賞金1123万7611ドル(16億4069万円)は自己最高額で、こちらもキャリアベストのツアー3位に入った。 首痛に始まった故障続きの昨シーズンはポイントランク50位で、この最終戦にも進めなかった。カムバックについて「よく頑張ったなと思います」と自賛したのは一瞬のこと。すぐに「やっぱり(もっと)上位で戦いたいのは正直なところではある」と続けた。「体の面も含めて、去年よりは確実に良くなってはいますけど、まだ不安定な状態が続いている。安定してくれば練習もできると思う。もう少し、根を詰めて練習をしたい」 次戦は9月26日(木)開幕の対抗戦「プレジデンツカップ」(カナダ・ロイヤルモントリオールGC)となり、世界選抜の一員として米国選抜を相手にする。来季の出場権獲得を目指す選手たちが多数を占める秋季シリーズ(フェデックスカップ・フォール)では、日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」(10月24日~/千葉、アコーディア・ゴルフ習志野CC)への参戦が期待される。 シリーズ最終戦を終えて一時帰国の途に就く。日本に戻るのは7月初旬以来。約2カ月の欧米遠征中には「パリ五輪」の歓喜もあった。「メダルを獲ってからまだ帰っていない。見せたい人はたくさんいる。それも含めてゆっくりしたい。プレジデンツカップもあるので、そこまでゆっくりできないと思うんですけど」とわずかな休息期間も忙しそう。 前評判通り、スコッティ・シェフラーが2024年の年間王者に輝いた。シーズンで7勝を挙げただけでなく、金メダルも手にした28歳を松山は「すごいなと正直、思います。メンタル的にもすごい」と仰ぎ見る。「戦っていく上では絶対にいるべき人。倒していけるようなゴルフができるようにしたい」。道の終わりはまだずっと先だ。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)