センバツ2023 戦力分析/中 敦賀気比 堅守、全体に安定感 3年連続出場も警戒感保つ /石川
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)大会第3日に、前年覇者の大阪桐蔭(大阪)と対戦する敦賀気比。2回目のセンバツ優勝に向け、まずは過去2年連続で敗れている初戦に挑むチームの戦力を分析した。 最大の強みは、昨秋県大会、北信越大会を通じて1失策の堅守だ。守りの要は遊撃手の伊藤剛志選手(3年)。捕球、送球ともにミスが少なく、チーム全体に安定感をもたらす。 選手層の厚い同校の中でもレギュラー争いが激しいのが捕手だ。昨秋主にマスクをかぶった柏木勇樹捕手(3年)は抜群の強肩で盗塁阻止能力が高い。さらに送球動作を速めようと、ボールの握り替えの練習を繰り返している。一方、中森昂捕手(2年)は返球のテンポが速く、キャッチングが巧み。投手は投げやすく、野手が守りやすい扇の要だ。 投手陣では、昨秋主戦の辻晶太投手(3年)に加え、桶谷司投手(同)、竹下海斗投手(2年)らの先発起用が予想される。辻投手は冬場のトレーニングで直球の最速が140キロに届きそう。持ち前の球のキレと制球力に加えて、投球の幅が広がりそうだ。桶谷投手は、捕手も泣かせるくせ球が持ち味の横手投げ。直球、スライダーなどの軌道が独特で、初見での対応は難しい。ベンチ入り投手唯一の左腕である竹下投手は、守備力が高く、調子も上向きだ。 救援では、カットボールやスライダーなど一通りの変化球を巧みに操り、狙って三振を奪える田中悠希矢投手(3年)や桶谷投手が中心となる。 打線では、甲子園経験豊富な高見沢郁(いく)魅(み)選手(3年)と友田泰成選手(同)、チーム屈指の長距離打者の佐伯大優(だいや)選手(同)が中軸を固める。昨秋は不調だった高見沢選手だが、屋外での練習再開後は、持ち味の鋭いライナーを取り戻している。友田選手は中軸の中でも確実性が高く、走者を置いて打順を回したい。 上位打線は昨秋の浜野孝(たか)教(みち)選手(3年)、野道諒彌選手(2年)の他、西口友翔選手(同)が候補。浜野選手は昨秋は不調も、甲子園経験豊富で、本来は出塁率と走力を備える理想的な1番打者。西口選手もスピードがあり、野道選手は小技に加えてパンチ力もある。 また、二塁手のレギュラーを争う宮本虎(たいが)選手(3年)は、代走要員としても力があり、旧チームからベンチ入り。田中良明選手(同)、阿部慎平選手(同)らは打力が高く、代打起用がありそうだ。 東哲平監督(42)は「今年は観客の声が戻り、プレッシャーもまた違う」と、3年連続のセンバツにも、警戒感を保つ。「量をやってきた練習をいかに質に変えられるか。投手も野手もまだまだ」と話し、試合当日までチーム力を高め続ける考えだ。【高橋隆輔】