野球では無名の“お笑い強豪校”が初の近畿大会出場!北稜が秋季京都大会で3位に
「秋季高校野球京都大会・3位決定戦、北稜6-2山城」(6日、わかさスタジアム京都) 北稜が初の近畿大会出場を決めた。5日の準決勝では立命館宇治に敗戦も、この日の3位決定戦で山城を下した。中村勇翔投手(1年)が投げては完投で、打っては八回にも適時打を放つ活躍を見せての勝利。監督就任4チーム目となる中西俊介監督(37)は「うちの野球部をつくってこられた監督さんや指導者の先生の方々に感謝を申し上げたいですし、ここまで支えていただいたOBのみなさんなど、積み重ねてのことだと思うので、感謝の気持ちしかないです」と感謝を口にした。 野球部のモットーは「練習では厳しく、試合ではとにかく明るく」といったもの。今年の夏休み、中西監督が体調不良で1週間ほど倒れた時期があった。首藤部長が1人で指導にあたっていたが、その期間の練習試合で敗戦。そこがチームの方向性を見つめ直すタイミングとなり「僕が帰ってきたタイミングで部長から『試合ではとにかく明るくというのをやって見ませんか?』と言われて。今回の結果は部長のおかげです」と振り返る。 初の近畿大会出場については「僕でいいのかな」と話す。1980年に開校した、京都市左京区の岩倉にある公立校。サッカー部は全国高校サッカー選手権大会の京都予選で、決勝まで進出したことがあるものの、野球部は4強入り自体が春、夏、秋を通じて創部以来初めてとなった。 全国的には無名の高校だが、実は一部で“お笑い強豪校”として知られている。OBには、チュートリアルの徳井義実と福田充徳の2人や、ミキの昂生と亜生の2人、おいでやす小田がおり、Mー1ファイナリストを多数輩出。学校の正門付近にも、この5名の活躍を応援するような横断幕が張られているほど。この日の勝利に貢献した中村は、偉大なOBの存在に「僕が入学してからは(学校に来たことは)ないですが、すごいなとは思います」と話す。 中西監督は「(夏までの)3年生が力のある代なのに一回も勝たせてやれなかった。秋、春、夏と全部初戦負けで。この秋も1回戦負けやったら辞めなあかんと思っていました。今の3年生がやってきた練習とか、3年生が1年間苦しい思いをして、いいものを残してくれたので。あの子らが残してくれたものがあったからこそ、この結果になったと思います。今日もテスト前にスタンドに来てくれて、エールを送ってくれたりして」と感情を込めた。 数々の野球部OBの思いや、偉大な先輩の存在も励みに、近畿大会でも旋風を巻き起こす。