名古屋発のインディーゲームがアニメ化、コンテンツ産業に新たな価値創造モデル示す
人狼ゲームを題材にしたインディーゲームはたくさんあるが、ひとり用のSFアドベンチャーという視点で捉えたのはかなり珍しい。プチデポットの4人だからこそ作れたゲームといえよう。 ■ゲームをアニメにするのは容易ではないが、意気込みはスゴそうだ このようにインディーゲームとして評価されている『グノーシア』だが、当然ながらゲームがアニメになるのは容易ではない。 本作はグノーシアを探す議論がベースになっているわけで、それをただアニメにしても、会話が複雑で映像もシンプルすぎるものになりそうだ。ましてや人狼ゲームの議論は論理的な推理とは限らず、好感や印象によるものですらある。
また、ループのたびに誰がグノーシアかなどの設定が毎回変化するわけで、そのあたりの複雑さをどう描くかも気になるところだ。 何より、『グノーシア』はゲームのために作られたストーリーが用意されている。ゲームとほかの娯楽媒体の最大の違いは、プレイヤーが操作して進めることにある。つまりインタラクティブ(互いに作用し合うもの)であり、一方的なストーリーではないのだ。それを視聴する形式のアニメにするのであれば、大胆な改変を加える必要がある。
アニプレックスのプロデューサーは「原作を喰うつもりでやる」と語っているそうで、ここには何かアイデアがあるのだろう。 プレイヤーごとに解釈の幅が大きいのが『グノーシア』のようなゲームである。これまで遊んだことのない人を楽しませるのはもちろん、ゲームを楽しんだ人も納得させるアニメになるか、出来栄えが気になるところだ。 ■原作ゲームのプロデューサーを直撃 TVアニメ『グノーシア』はまだ発表されたばかりであり、どのような作品になるかは想像もつかない。そこで、ゲームを開発したプチデポットの代表である川勝徹氏(以下、川勝)にメールインタビューを実施した。
──TVアニメ化の経緯はどのようなものだったのでしょうか。 川勝:3年ほど前、アニプレックスの本作担当のプロデューサーから熱烈なアニメ化のご提案をいただきました。アニメ化できたらとても素晴らしいものになるだろうと確信する反面、実現するためには、乗りこえなければいけない課題がいくつもありました。 それをひとつひとつ解決して、納得できる形になるまで、何回も会話を重ねた結果、グノーシアファーストでお付き合いいただけると実感できたので、アニメ化をお受けすることにしました。