カシージャスに憧れたガンバGK一森純は間もなく33歳…「昔と今の30代は違うよ」「変化はマジで感じない」
「Jリーグファン」を自称する大阪出身の32歳
攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第41回は、今季から再びガンバ大阪のゴールを守る一森純だ。 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開! 前編では、チーム状況から、昨季に期限付き移籍した横浜F・マリノスへの思い、JFLからJ3、J2、J1とあらゆるカテゴリーを通しての成長を尋ねた。 後編ではまず、少年時代に着目。好きな選手こそ、スペイン代表のレジェンドを挙げたが、海外に比べて日本のサッカーに多く触れているようで、セレッソ大阪ユース出身の32歳は「Jリーグファン」と自称する。 ――◆――◆―― イケル・カシージャスが好きでした。勝負を分けるプレーができる、勝利を手繰り寄せる選手なんですよね。特別キャッチが上手いかって言われたらそうでもないし、特別ハイボールに強いかって言われたらそうでもないけど、勝負を分けるようなポイントで、ビッグセーブやビッグプレーをする選手が好きです。 チームでいうと地元のセレッソやガンバ、それにマリノスも見ていました。榎本哲也さん、飯倉大樹さん、マリノス育ちで湘南ベルマーレなどでプレーした秋元陽太さんとか。自分と同じ背丈で、すごく参考になる選手たちだったので、マリノス育ちのゴールキーパーはすごく見ていましたね。 あと中林洋次さん。ファジアーノ岡山などで活躍された方です。そういう選手たちは見ていましたね。同じ180センチ前半のゴールキーパーを参考にしていました。 実際にマリノスでプレーした時は、キーパーコーチの松永成立さんから、ゴールキーパーとはなんぞやという部分をすごく教えてもらいましたね。
ここまでのキャリアは「100点満点」――その理由が興味深い
カシージャスに憧れた少年時代から時は過ぎ、一森は7月2日に33歳の誕生日を迎える。 インタビューを行なったのは6月27日。「1週間後ぐらいですね」と伝えると、柔和な守護神は「1週間後!? 奥さんの誕生日が7月27日なんですよ。そのことばっかり考えていました」と笑みを浮かべた。そんな様子からも分かるように、年齢はあまり気にしていないようだ。 ただ、Jリーガーの平均引退年齢は25~26歳と言われており、すでにそのキャリアは一握りの部類に入っている。そうしたなかで、「ここまでのキャリアの点数」を尋ねた際には、力強い答えが返ってきた。 ――◆――◆―― 100点満点です。その時々で「もっと上手いことやれたな」とかはあるんですけど、めちゃくちゃ人に迷惑をかけながらここまで来たので、今まで以上に頑張ろうと思ったら、家族とかを犠牲にして、もっと人に迷惑をかけてしまうことになります。それはできないので100点ですね。やれることはやり尽くしています。 年齢を重ねての変化はマジで感じないです。ホテルでメンバー表を見て「あっ、上から3番目やん」とかになって気付くぐらいです。体力の衰えがあるかと言えばそうでもないし、やっぱりヒガシ君(東口順昭)や飯倉さんを見てても全然…すごいなと思います。 朝起きるのがきつくなるとか、全くないですね。年齢を感じることがなかったので、サッカー選手としての終わりを感じたことも今まで1回もないです。本当に意識してこなかったですね。 今は栄養学やリカバリーのデータや論文が、昔と比べてすごく出ているので、その辺の感覚は皆さんも変えていってほしい部分ですね。昔の30代と今の30代は違うよっていう。 自分が若い頃は、33歳はマジでおっさんと思っていました(笑)。怪我しがちだなとか思っていましたね。