2024年度の年金例「厚生年金23万483円・国民年金6万8000円」だが激しい個人差…なぜ?
年金の個人差2. 国民年金加入者は保険料納付状況で個人差が出る
国民年金に加入している人でも、保険料の納付状況によって年金額は異なります。 次の老齢年金の計算方法から分かる通り、年金額は保険料を納付した月数に比例するからです。 ・老齢基礎年金額(年額)=81万6000円(満額)×保険料納付月数/480か月 20歳から60歳までの40年間(480か月)、毎月保険料を納めた人は満額の年81万6000円(月6万8000円)の年金を受け取れます。 保険料の未納が多い人などは、次の通り年金額が少なくなります。 ・納付10年(120か月):年金額20万4000円(月1万7000円) ・納付20年(240か月):年金額40万8000円(月3万4000円) ・納付30年(360か月):年金額61万2000円(月5万1000円)
年金の個人差3. 厚生年金加入者は年収などで個人差が出る
厚生年金に加入している人は、厚生年金加入中の収入や保険料納付状況によって年金額に個人差が生じます。 厚生年金加入者の老齢基礎年金については、国民年金加入者と同様、20歳から60歳までの保険料納付状況(国民年金や厚生年金など)で年金額が決まります。 老齢厚生年金については、次の計算式(加算を除く)の通り厚生年金加入中の平均標準報酬と加入月数に比例します。 ・老齢厚生年金額(年額)=平均標準報酬✕5.481/1000✕厚生年金の加入月数 平均標準報酬が高い人や厚生年金の加入月数が多い人ほど、年金額が高くなります。
自分自身の年金額を確認しよう
2024年度の年金額は前年度から2.7%増加し、厚生労働省のモデル例では「厚生年金23万483円(夫婦2人)・国民年金6万8000円」です。 ただし、実際の年金額は保険料の納付月数や厚生年金加入中の年収(正確には平均標準報酬)などによって一人ひとり異なります。 老後の生活設計を考えるときは、最初に収入となる自身の年金額を確認しましょう。
参考資料
・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」 ・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」 ・日本年金機構「報酬比例部分」
西岡 秀泰