「一緒に温泉に行けた」“医療アートメイク”が変えた“がんサバイバー”の生活
家にいる時や次の現場へ移動するまでの空いた時間も、惜しみなく練習に費やします。看護師として勤めていたころ“乳がん患者のために人生をかけたい”という思いが強くなり、医療アートメイクの道を選んだ白井さん。 アートメイクナース 白井聖羅さん 「毎日必ず…最短30分で長い時は何時間もやってしまう」「任せてくれる患者さんに失礼かなって。やり続けてやり続けてやり続けて…満足することはないので」 ■「元気でいなきゃいけないから」笑顔絶やさず 「…カンパーイ!」「いただきます」 去年、退院した翌日から仕事場に復帰した中村さん、笑顔を絶やさずひと際明るく接客しています。 「快気祝いにも来た。(ママは)いつもこんな感じで元気」「(乳がんの)重たいイメージとか暗いイメージをほとんど感じさせない。それ以上に魅力的な人」(客) 中村花恋さん 「みんなの笑顔を見るのがすごい好きなので、これを続けられるように私も元気でいなきゃいけないから…頑張ります」 患者の命を救うため日々、研究が続く乳がん治療の最前線。その一方で、患者の日常を支える地道な取り組みも少しずつ広がりを見せています。 ■白井聖羅さんに聞く“医療アートメイク”とは アートメイクナース 白井聖羅さん 「アートメイクは一般的に美容のものもあるけど、医療アートメイクは美容目的でなく病気やけが、手術や治療などで健常な見た目が損なわれた部分を再建・カモフラージュする技術。例えば抗がん剤治療の前後、眉毛やアイラインのアートメイク、あと口唇口蓋裂のオペ後のリップアートメイク、乳がん摘出後の乳輪・乳頭アートメイク」 Q 乳がん患者の見た目の悩みは? 「乳がんで手術すると全部(胸を)取らなければいけないわけではないが、中には乳輪・乳頭もいっしょに切除しなければならない方もいる。(模型を見せて)乳房は保険で治すことができる、乳首も保険で作ることができるのでそういう方は色を入れていく。乳頭を作らない人には立体的に見えるようなアートメイクをする。なるべく突起があるように影を付けたり、色を何色も使ったりしている」
Q 施術を知らない人も多い。何を伝えたい? 「困った人、必要な人が当たり前のように手術を受けられるような世の中になってほしい。大切な人がいたら教えてあげてほしい。乳がんは自分で発見できるがんなので、普段から自分のおっぱいを触ってほしいと思う」
北陸放送