「一緒に温泉に行けた」“医療アートメイク”が変えた“がんサバイバー”の生活
金沢大学がん進展制御研究所 後藤典子 教授 「トリプルネガティブに関しては今回、たくさんの検体を使った解析結果ということになる」「FXYD3(タンパク質)が維持させているのが、“祖先がん幹細胞”が生きながらえるために重要な“ポンプ機能”。これを維持させなくする薬が何かないか文献を調べたところ、この心不全の治療薬に行き着いた」 この朗報に…。 中村花恋さん 「すっごく嬉しい、苦しんでいる人は絶対いっぱいいるので。もっと知見や技術が発展してあまり負担や副作用がない薬が出たらいい」 店ではウィッグをつけて仕事に臨んでいる中村さん。全身の毛が抜けてしまうことは、抗がん剤治療を受ける患者が抱える悩みの一つです。 ■乳がんと闘う人にとっての医療アートメイクの大切さ 中村さんはこの日、眉毛が生えているはずの箇所に色素を入れる「医療アートメイク」を受けるため、野々市市内のクリニックを訪れました。乳がん患者を中心に医療アートメイクを行う元看護師の白井聖羅さんによる施術、今回が3度目です。 アートメイクナース 白井聖羅さん 「(きょうは)薄くなったところ直す。左の方がけっこう薄くなっているのでもう少し作れたらなと」 「副作用がね」「ひどかった~」「でもお店がんばっとったね」「本当に…」 会話を交えながら、専用の機械と針で施術を進めます。 アートメイクナース 白井聖羅さん 「私は寄り添う気持ちで…寄り添うでしかないですね、その人の人生を預かっているので」 「復活や~」「うん!きれいになった」 施術は医療行為にあたるため、医師の指示のもと、白井さんのような看護師資格を持った人が行う必要があります。そのため白井さんは、医師が常駐する県内外の病院を忙しく移動します。手術で乳房などを失った患者のために乳輪のアートメイクも行っていて、中村さんも今後、施術を受けることにしました。このような医療技術は、乳がん患者の大きな支えとなっています。 ■「娘と一緒に温泉に行けた」施術をきっかけに変わる生活 「子どもとお風呂に行ったことがない、という人が(乳房の施術後は)自信がついたことがきっかけで娘と一緒に温泉に行くことができたと言っていた。人をコミュニケーションをとったり生活するうえで見た目は重要な役割を果たしている」