「待遇に満足な社員」が会社を辞めてしまう真因、なぜ互いに「相思相愛」の関係が築けないのか
しかし、従業員の不満は絶えず出てくるため、人事部門や企業全体のリソースが不足し、疲弊してしまう企業も少なくありません。 サーベイで従業員の期待度を把握できれば、不満を解消するのではなく、期待をすり合わせる方向性で施策を講じることができます。 従業員が「何をどのくらい求めているのか」が分かれば、動機づけ要因も抽出しやすくなり、より効果的にエンゲージメント向上を図ることができるでしょう(図表1)。 ※外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
リンクアンドモチベーションでは、エンゲージメントを左右する要因を「4P」という形で以下の4つに分類しています。 ▼Philosophy(目標の魅力)…企業の理念や経営計画、成長性など ▼Profession(活動の魅力)…仕事内容ややりがい、商品・サービスなど ▼People(組織の魅力)…経営陣や仲間、組織風土など ▼Privilege(待遇の魅力)…給与や福利厚生、労働環境など ■どの「P」でエンゲージメントを高めるのか
このうち、Privilege(待遇の魅力)はハーズバーグの二要因理論で言うところの「衛生要因」に当たります。 これが整備されていないと従業員の不満足を生んでしまうため、Privilegeを無視することはできません。 他の3つのPは「動機づけ要因」であり、これらを高めることがエンゲージメント向上につながります。ただ、企業のリソースは有限なので、3つのPをすべて高めるのは現実的ではありません。 サーベイの結果を踏まえながら、「どのPでエンゲージメントを高めるのか」を決めて、そこに注力するのがポイントです。
※後編は5月14日(火)に配信予定です 著者プロフィール 田中 允樹(たなか まさき) 株式会社リンクアンドモチベーション 中堅・成長ベンチャー企業向けコンサルティング部門責任者。慶應義塾大学卒業後、モチベーションをテーマにしたコンサルティング会社、リンクアンドモチベーションに入社。大手企業から中堅・ベンチャー企業まで幅広い顧客の組織変革を成功に導く。従業員エンゲージメント向上サービス「モチベーションクラウド」の立ち上げ、拡大を牽引する。
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