輪島の漆芸研修生、道具や作品搬入 富山大高岡キャンパスで制作活動
能登半島地震で休講している石川県立輪島漆芸技術研修所(輪島市)の研修生が30日、制作活動に向けて、富山大芸術文化学部がある同大高岡キャンパスに道具や制作途中の作品を搬入した。 輪島漆芸技術研修所は、断水などの影響で再開のめどが立っていない。被災を受け、漆の専門教員が在籍する同学部が研修生を受け入れることにした。 研修所の1、2年生8人が約2カ月間、同キャンパスで作品を制作したり学んだりする。研修所の教員が同大を訪れて指導するほか、漆工芸が専門で同学部の付属施設「技藝(ぎげい)院」の林曉(さとる)センター長が週1回、講師を務める。同学部の教員もサポートする。 この日は3人が荷物を整理した。31日から本格的に活動を始め、他の研修生も今後、来県する。卒業を控えた2年の吉田有沙さん(輪島市)は「学べる環境を整えてくださってありがたい。何とか卒業制作を仕上げたい」と語った。林センター長は「漆は日本の大切な伝統産業の一つ。絶やさないため、できる協力をしていきたい」と話した。