ガストなどで活躍する猫型配膳ロボットの新型「BellaBot Pro」が発表に
親しみやすさが人気の猫型配膳ロボット
2024年7月1日、Pudu Robotics Japanはレストランをはじめとするサービス業で導入されているネコ型配膳ロボットの次世代モデル「BellaBot Pro(ベラボット プロ)」を発表した。 【写真】新しい猫型配膳ロボットを詳しく見る ひと昔前までロボティクスといえば自動車や半導体などの製造業での採用が主流で、近年ではamazonをはじめとする物流業界での採用も進んでいる。ただ、こうした技術を一般の人が目にする機会は少なく、言ってみれば裏方のシステムだった。 そうした中、2021年~2022年にかけてレストランチェーンのすかいらーくグループが3000台ものネコ型配膳ロボットを導入したことで多くの人の目に留まるようになり、SNSを中心にした話題にも上っていた。ガストやバーミヤンで、フロアを縫うように移動する配膳ロボットを見たことがある人も多いのではないだろうか。 配膳ロボットの導入はスタッフの移動距離短縮や、業務習得の早期化など店舗側のメリットが大きい一方で、料理提供までの時間短縮や業務時間の効率化によるサービス品質向上など、利用客が享受するメリットも多い。画面に映る表情豊かな猫の描写や、頭部(?)をなでるとリアクションしてくれる愛嬌、語尾に「ニャン」をつけるなどの可愛らしさもあって、子どもからの人気も高い。導入店舗での利用客数も伸びたという。
働く環境の改善とサービス品質の向上
この猫型配膳ロボット「ベラボット(BellaBot)」を開発したのは中国・深センに本拠を置くプードウ・ロボティクス(Pudu Robotics)で、ベラボットのほかにも配送ロボットの「プードウボット(PuduBot)」、清掃ロボットの「プードウCC1」などをラインナップする大手ロボットメーカーだ。現在ウォルマートやKFCコーポレーション(ケンタッキーフライドチキン)などサービス業をメインに世界60カ国以上に8万台のロボットを提供している。 2019年に発売されたベラボットは、フロア天井に配置されたマーカーと自己位置認識技術、物体を3Dで認識する3台のRGBDカメラとレーザー光センサによって障害物を検知して、回避しながら人の歩行速度と同程度の速さで移動可能。AIを活用した音声セリフとディスプレイ表示などにより、お客とのコミュニケーションもお手のものだという。 AIロボットというと人の仕事を奪うものという見方も一部ではあるようだが、プードウもすかいらーくもベラボットは人員削減のための装置ではなく、人にしかできない仕事をできるよう業務効率を向上させているようだ。実際に導入したすかいらーくグループによるとスタッフの歩数は42%減少、片付け時間も35%削減するなど、働く環境の改善とサービス向上の両立を実現できたとしている。