「怒り」や「不安」に支配されないための方法2つ
困難に直面すると、私たちはついデフォルトで、あるひとつの「支配的な感情」を抱いてしまいがちです。 たとえ、ほかの感情を抱くほうが「論理的」であったとしても。
1つの感情に支配されていませんか?
もしかすると、あなたのデフォルトの感情は「不安」かもしれません。 その場合は、ストレスにさらされると、怒りや悲しみ、イライラといった感情よりも、不安を抱いてしまいます。 それこそがあなたの「支配的な感情」のスタイルだと指摘するのは、『The Healthy Mind Toolkit(「健康な心」のツールキット)』の著者であるAlice Boyes博士です。 博士は先日、「Psychology Today」に寄稿した記事の中でこう説明しています。 支配的な感情とは、その人がストレスにさらされたときに抱く感情です。 多くの場合、そのときの状況に対する解釈や反応のしかたと密接に関係しています。 たとえば、先ほどの「不安」の例で言うと、あなたがとる反応の原因は、そうした状況が起きたことを自分のせいだと考えてしまう傾向にあるのかもしれません。 支配的な感情が「怒り」である場合はどうでしょう? その原因は、ほかの誰かが自分を傷つけようとしていると思い込む気質にあるのかもしれません。
いろいろな感情を抱くことの大切さ
支配的な感情をデフォルトで抱くのは、自分がその感情のことを知っていて、その感情が、いちばんなじみ深いからです。 けれども大切なのは、「いろいろな感情を抱くことができる自分」でいること。 なぜなら多くの場合、それこそが、より健康的で幸せな人生を送るためのカギをにぎっているからです。 感情に関するひとつの考え方に、「いろいろな感情のひとつひとつが、バランスのとれた生態系の一部である」というものがあります。 ひとつの生態系の中には、実にさまざまな構成要素があり、そのすべてが健全な生態系にとって重要です。 そして、あるひとつの感情が大きな支配力を持ち、このバランスが乱れると、生態系全体の健全さもバランスを失ってしまいます。 さまざまな研究が示しているように、一般的に心身ともに健康状態がいいと言えるのは、幅広い感情を抱く人たちです。 うつ病の発症率が低いのも、そうした人たちです。 理由のひとつとして、いろいろな感情が入り混じることで(たとえそれらがネガティブなものであっても)、何かひとつの感情が、その人の心を完全に支配してしまう状況になりにくいということが考えられます。