<齋藤潤>「9ボーダー」川口春奈ら3姉妹の弟役 途中から参加「いい意味で違和感を持ちながらお芝居ができた」
--九吾を演じるにあたり、共感するところはありますか?
九吾は今までお母さんとおばあちゃんと暮らしてきました。3年前にお母さんが亡くなってからは自分の思いを打ち明けられる人もいなくて、ずっと我慢して生きてきたんです。それに苦労してきたお母さんの思いを無駄にしてしまうと感じて、九吾は「俺は一人で生きていく!」と決心したように思います。そういうところは男の子だなと思いましたし、九吾の気持ちがよく分かりました。
--今回の現場で何か初体験があったと伺っています。
収録中、初めて笑いのツボというものにハマりました(笑い)。大庭家の居間でウメケンこと梅津剣さん(お笑いコンビ「オズワルド」の伊藤俊介さん)の顔を見るたび、笑いがこらえられなくなってしまったんです。5カットぐらいNGを出してしまい、皆さんも「頑張れ!」と応援してくださって。カメラが回るたび、笑ったカットがフラッシュバックするので、「やばい、集中しなきゃ!」といったんはリセットするのですが、何度も笑ってしまい、同じことを繰り返していました。
オーケーシーンもちょっとニヤリとしていたんじゃないかな、と思います(笑い)。これまで他の作品で笑ってしまうことがあっても、1回ぐらいでリセットできたんですが……。撮影現場で、ここまで笑いをこらえ切れなかったのは初めての体験です。
--お芝居に入る前、必ずすることはありますか?
現場に入ってお芝居が始まる前は、事前に考え過ぎないようにして、いったん全部忘れてからお芝居をするようにしています。前日まで台本を読み込み、自分の役はこうなるんだ!ということを体にしみこませます。
でも、それを意識し過ぎると、他の作品でもワケが分からなくなってしまうことがありました。そのとき「現場に入ったら、リセットした方がいいかもしれないね」とプロデューサーさんにアドバイスをいただいたんです。最近はその言葉を思い出しながら演じるようにしています。