石破政権発足へ、岩屋外相・赤沢再生相を起用-新閣僚で報道相次ぐ
(ブルームバーグ): 自民党の石破茂総裁は新政権発足に向けた党役員・閣僚人事を進めている。財務相に加藤勝信元官房長官、外相に岩屋毅元防衛相、経済再生担当相には側近の赤沢亮正財務副大臣を充てる。共同通信など複数の国内メディアが人事を報じた。
10月中にも想定している次期衆院選に向け体制を整える。共同通信によると、林芳正官房長官は続投し、防衛相に中谷元氏が再登板する。石破氏は30日中に党役員人事を決め、10月1日の衆参両院本会議で首相に指名された後、直ちに新内閣を発足させる。NHKは29日夜、石破総裁が10月9日に衆議院を解散し、27日に衆議院選挙の投開票を行う日程を軸に最終調整に入ったと報じた。
長く非主流派にいた石破氏は政権基盤が弱く、党内をまとめ上げることができるかが課題だ。今回の人事が試金石となるが、総裁選の決選投票で石破氏に敗れた高市早苗氏は党総務会長就任を固辞したと報じられている。挙党体制の構築に不安を残した形で衆院選に臨むことになりそうだ。
30日に実施する予定の党役員人事では副総裁に菅義偉前首相、最高顧問に麻生太郎副総裁の就任が内定したほか、幹事長に森山裕総務会長、総務会長に鈴木俊一財務相、政調会長に小野寺五典元防衛相、選挙対策委員長に小泉進次郎元環境相の起用が固まったとNHKなどが報じた。
小泉氏、林官房長官、加藤氏は総裁選で石破氏と争った。岩屋氏は石破陣営の選挙対策本部長。菅前首相に近い坂井学元官房副長官、三原じゅん子参院議員の入閣も報じられている。
一方、経済安全保障担当相と報じられた城内実衆院議員は故安倍晋三元首相に近かった議員で、総裁選で高市氏を支持した。積極財政派として知られ、顧問を務める「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は6月、「カレンダーベースでのプライマリーバランス(PB)黒字化目標を撤廃する」よう求める提言をまとめた。
--取材協力:関根裕之.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Takashi Hirokawa, Yuki Hagiwara