【デーブ大久保コラム】初めてメジャーの試合を解説し、大谷翔平のすごさを感じた試合でした
【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】 先日のことです。ネットサービスの「ABEMA」でメジャーの試合の解説をさせてもらいました。マネジャーから「メジャーも解説できますよね? 依頼を受けました」と報告が。「分かったよ」と答えたものの、昨年1年間、プロ野球の現場にいたことで、1試合すべてをしっかり見たことがなかったなあ、と。それでも受けたからにはしっかりやろうと、現場へ。 【選手データ】大谷翔平 プロフィール・通算成績・試合速報 当然分からないことも多いので、そこはスタッフに「分からないことがあったらすみません」と伝えました。知らないことを知っているかのように伝えるのは、観ている視聴者に失礼だ、という気持ちがあるので、そこは了承してもらいました。「デーブは分かっていないな」と思いながら、放送を見た方もいると思いますが、そういう意図もあったので、ご了承ください。次回、もし機会があったときには、さらに勉強していきます。 この現場で、私を助けてくださったのが、大リーグ評論家の福島良一さんでした。もう長いことお目に掛かっていなかったのですが、本当に久しぶりに一緒にお仕事ができてよかったですし、お元気でした。何より、メジャーのことに本当に詳しい。さまざまな場面で助けてもらいましたし、勉強にもなりました。 解説を仰せつかった試合は、ドジャースの試合でした。日本では25日のナショナルズ戦。大谷翔平が3本の二塁打を放った試合です。久々にじっくりと見たメジャーの試合は驚くこと、なるほど、と思うところが多かったです。 その中で一番感じたことは、メジャーの投手やバッテリーが大谷に対してだけ違う配球をしているな、ということでした。第1打席は走者がいなかったので、先発投手が持っている一番いいボールを生かそうという配球をしていましたが、走者がいるときの大谷への配球が変化したことに驚かされました。 日本ハム時代、私も楽天の指揮官として対戦しています。そのときに講じていた配球と同じような配球をナショナルズのバッテリーがしていたのです。つまり、ハイリスクを避ける配球です。大谷の弱点を突く配球と言うのでしょうか。逃げというよりは、本塁打を打たれない配球という感じです。 ムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンという強打者のときでもバッテリーは、その投手の一番の球種を投げさせていましたが、大谷にはコースを狙い、甘い球を投げない配球に徹していました。この配球を見たときに、日本人としてめちゃくちゃ誇らしく思いました。 メジャーが日本人選手に対し最大限に警戒している、と。そんな時代が来たのかと感動しました。西武時代に1A、教育リーグを経験して、その実力を知っているだけに、余計に大谷のすごさを感じましたね。いやあ、こういう時代になったんだ、という思いでした。
週刊ベースボール