「パワーカップルは2.5%のみ」「6割はパート」共働きの実態を検証してみた
東京都の有識者会議がまとめた試算によると、「妻の働き方で生涯収入に2億円の差がでる」とのこと。これは妻が仕事を辞めずに定年まで続けた場合と専業主婦になった場合の比較です。現在では共働きが7割を超えていますが、同じ共働きでも働き方によって収入格差が生まれています。そこで、共働きの実態を、さまざまなデータから検証してみました。また、共働き世帯の世帯年収を上げるためにやるべきこともお伝えします。 【意外】「パワーカップル」はそんなにいない? 共働き世帯の夫・妻 年収別の割合は
■妻の働き方で生涯収入2億円の差 東京産業労働局の「東京くらし方会議」がまとめた報告によると、夫婦世帯で妻の働き方による生涯収入の差は約2億円となっています。4パターンの試算結果をみてみましょう。 <算定条件> - 夫婦共に同年齢、31歳で第1子を出産 - 夫は22歳から64歳まで会社員として就業、35歳時点で年収600万円 - 妻は22歳から31歳まで会社員として就業、31歳までの年収は夫と同様 - 年金は65歳から受給開始。 - 夫の収入は22歳~54歳の間で一定のベースアップを考慮し、55歳で昇給停止 - 退職金は考慮していない。生涯収入はそれぞれ89歳までで計算 1. 継続就労型・・・出産後育業し、同じ職場で働き続けた場合 世帯の生涯収入: 約5億1,000万円(年金が約1億円) 2. 再就職型・・・出産に伴い退職、育児期間を経て子が10歳の時、再就職した場合(年収300万円) 世帯の生涯収入: 約3億8,000万円(年金が約9,000万円) 3. パート再就職型・・・出産に伴い退職、育児期間を経て子が10歳の時、パートで再就職した場合(年収100万円) 世帯の生涯収入: 約3億5,000万円(年金が約7,000万円) 4. 出産退職型・・・出産に伴い退職し、再就職はしなかった場合 世帯の生涯収入: 約3億2,000万円(年金が約7,000万円) 夫の収入は同一とした試算で、妻が同じ職場で働き続けた場合は、世帯の生涯収入は約5憶1,000万円。対して、出産退職し、その後就職しなかった場合は、約3億2,000万円でその差は約2億円となります。 この試算では、妻が就労しない場合の夫の収入におけるメリットも試算しています。それによると、配偶者手当(10,914/月)と配偶者控除分(71,000/年)が受けられるパート再就職型と出産退職型は、生涯を通じて約670万円のメリットがあります。 <夫と妻それぞれの生涯収入>